辺野古「過去の問題」 菅氏、知事選の争点化否定


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 【東京】菅義偉官房長官は10日の記者会見で、11月の県知事選で最大の争点となる米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題について「最大の関心は沖縄県が(辺野古沿岸部の)埋め立てを承認するかどうかだった。知事が承認し粛々と工事しており、もう過去の問題だ。争点にはならない」との認識を示した。

知事選の結果にかかわらず、仲井真弘多知事の埋め立て承認を根拠に移設作業を推進する考えもあらためて強調した。知事選で示される民意を否定する発言として県内から反発が出ている。
 菅氏は、知事選出馬を表明した翁長雄志那覇市長が辺野古移設が争点だと指摘したことに対し「争点にしたいから、候補者として言っているだけだ」と批判。「承認に基づいて粛々と工事していくだけで、現実的な争点にはならない」と述べた。移設の是非を争点から外したい安倍政権の思惑があるとみられる。
 菅氏は辺野古移設について「わが国の安全保障を考えたとき、抑止力や普天間飛行場の危険性除去を一日も早くやらないといけない中で、ぎりぎりの唯一の選択肢だ」と強調し、移設作業を進めることで在沖海兵隊の国外移転が進むとした。
 知事選で示される民意については「過去18年間で、県知事も市長も移設賛成の方がいた。そうした経緯の中で、仲井真知事が埋め立て承認を決定した。そのことで一つの区切りがついている」と述べた。