全国コンテスト、来間小中がダブル受賞 中学廃校「いい歴史残せた」


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 【宮古島】学級通信や学校だよりなど教師がつくる優秀な通信を表彰する「第10回プリントコミュニケーションひろば」(理想教育財団主催)がこのほど発表され、3月で中学校が閉校になった宮古島市立来間小中学校で知念安則前校長が昨年度発行した園長・校長だより「是(ぜ)っ校長」が「ひろば賞」、同校が「学校奨励賞」を受賞した。

同時受賞に知念さんらは「来間中学校の歴史の最後に、いいものが残せてよかった」と喜びを語った。
 知念さんと、3月まで来間中の担任だった下地悦子さん(現西城中教頭)が宮古島市教育委員会に奥原一秀教育部長を訪ね、結果を報告した。
 主催財団によると今回のプリントコミュニケーションひろばには全国から632作品が応募し、30作品が表彰された。
 ひろば賞はレイアウトや写真、見出しなど特色ある通信に与えられるもの。また下地教諭が出した「学級通信 真清水」と、図書館だより、幼稚園だより、保健だよりを含めた実績が「学校奨励賞」へ、全国4校のうちの1校に選ばれた。
 校長として来間中廃校を見届け、3月末で定年退職した知念さん。教師生活35年最後の舞台となった来間小中学校で、11人の園児・児童・生徒(2013年度当初)とその保護者や教職員の頑張りを地域に伝えようと執筆を重ね、1年間で261号を発行した。
 「是っ校長」はA4サイズの1ページ、発行部数は各学級掲示用や保護者配布用も含め14部というこぢんまりしたもの。写真を多用したり、学校給食を紹介する連載コーナーを設けるなど、工夫を凝らした。
 知念さんは「受賞は、卒業作品が認められ、誇らしい思いを胸に卒業した生徒のような心持ちだ。島の人たちも喜んでいると思う」と語った。
 市教委の奥原部長は「子どもたちのやる気にもつながる。他校のいい刺激になれば」と期待を込めた。
 県内ではこのほか、那覇市立上山中学校の比嘉小百合教諭(当時)が出した学級通信「軌跡」が新人賞を受けた。

学校奨励賞やひろば賞の受賞を喜ぶ知念安則さん(左から2人目)ら=宮古島市教育委員会
ひろば賞を受けた「是っ校長」