首里、男女組手V 県高校空手道選手権


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 空手道の2014年度県高校選手権が13日、那覇国際高校体育館で行われた。男子団体組手は首里が前原を3―1(1引き分け)で下し、女子も首里が4―1で浦添を破り、男女とも優勝を果たした。

個人組手でも男子は首里の赤嶺洸史が島袋佑哉(コザ)を8―2で破り2冠を達成。女子は1年生の運天葉月(沖尚)が6―0で三枝彩香(名護)を破り頂点に立った。男子個人形は島袋がチャタンヤラクーシャンクーで2連覇を達成し、女子は砂邊まこ(浦添)がトマリバッサイで初優勝を決めた。

◆有言実行、快進撃へ 首里男子
 大会3連覇中で、ここ数年は県内の団体組手を制してきた前原に新生・首里が挑んだ。大将戦は「緊張したけど、攻め続ける気持ちだった」という平良晃太朗が得意の上段蹴りを2発決めた。体格差をはねのけて優勝を決めると、歓喜の輪が広がった。
 接戦が予想された前原戦に向け、伊禮光国監督は選手の順番を入れ替えて臨んだ。作戦は的中し、中堅で赤嶺洸史と前原の吉本龍とのエース対決が実現。赤嶺はライバルを中段蹴りと上段突きで冷静に退けた。エース対決を制して首里は優勝をぐっと引き寄せた。
 2勝1敗で迎えた副将戦は主将の板良敷朝紀が狙い通りに相手を投げて上段突きを決めた。3点のリードで「守りに入ってしまった」と終盤追い付かれたが、引き分けて大将につなげた。
 首里は7年目の伊禮監督に加え、八重山から山崎太志監督が赴任し、熱心な指導者が2人になった。インターハイが終わり、新チームの目標を確認すると、男女とも優勝を掲げた。練習は熱を帯び、真剣な実戦形式を重ねてきた。九州を制覇した実力者の赤嶺が中心となりレベルを上げていった。
 赤嶺は「今回優勝しても次に勝たなくては意味がない」と次を見据える。有言実行で目標の男女優勝を果たした首里。新人、九州、全国選抜大会へと新しい首里の快進撃が始まった。(関戸塩)

◆首里女子 団結力で栄冠手に
 副将戦で首里の照屋那奈が得意の中段蹴りを決めて浦添の砂邊まこを突き放す。1年の照屋にとって2年の砂邊は小学校の時から戦ってきて一度も勝てなかった相手だった。個人形でも0・05点差で敗れて2位だった。「出してくる手が見えた」という照屋は乗り越えるべき先輩を倒してチームの優勝を決めた。
 試合は先鋒(せんぽう)の高良紗也加は敗れたものの終始積極的に攻め続けた。「体が乗っていた」という次鋒の伊敷瑛理子は中段蹴りを2発決め、終始リードした。中堅、當間和は上段蹴りを決め、相手の棄権で勝った。大将の野村知里も中段突きで得た1点を守りきり、勝利で締めた。
 主将の當間は「チームの団結力で優勝できた。新人大会でもさらに強くなって優勝したい」と語った。

※注:山崎太志の「崎」は、「大」が「立」の下の横棒なし
※注:高良紗也加の「高」は旧字体

男子団体組手決勝 首里―前原 大将戦 得意の蹴りで攻める平良晃太朗(右)=13日、那覇国際高校体育館
女子団体組手決勝 首里―浦添 副将戦 中段蹴りで攻める首里の照屋那奈(右)