沖縄社会と文学、米国議会に紹介 山里名桜大学長が解説


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沖縄文学が沖縄の伝統・風俗や社会状況に大きな影響を受けてきたことを解説する山里勝己氏(中央)、フランク・スチュワート氏(右)=11日、米ワシントンの議会図書館

 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】山里勝己名桜大学長と、ハワイ大学のフランク・スチュワート教授を迎え、沖縄文学を紹介する催し「息づく魂」が11日、米議会図書館であった。

おもろさうし、吉屋チルー、恩納ナビーなど古典作品に加え、戦後の「ジョージが射殺した猪」、「エンパイア・ステートビルの紙ヒコーキ」などの戦後作品を例に出し、女性が精神文化を支えてきた伝統的風習や風俗、沖縄戦、戦後の基地問題などの社会状況が、文学に色濃い影響を与えてきたと解説した。
 会はスチュアート氏が著名な沖縄文学作品を英語で要約し、山里氏が作品に影響した社会的背景を解説する形で進行した。
 沖縄文学と切り離せない関係にある社会状況の動向ついて山里氏は、米軍普天間飛行場の県内移設断念やオスプレイの配備撤回を求めた2013年の建白書を挙げ、「それぞれの政治的立場を超えて『オール沖縄』で行動したことは、沖縄の『成熟』を示唆している」と分析した。
 また「かつてはうちなーぐちや文化など『地方のもの』はよくないと言われてきたが、最近は沖縄の芸術家や文学者が、よりうちなーぐちを使うようになってきた」と述べ、文化や自我を復興する動きも紹介した。
英文へ→Event introducing Okinawan literature held at US Library of Congress