【島人の目】新美潤前総領事の思い出


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 在ロサンゼルス日本国総領事新美潤氏が2年8カ月の任務を終え、6月末日に帰任した。ロサンゼルス・ハンコックパークの総領事公邸で6月23日、350人が集まり、より良い日系関係のために尽くしたリーダーを招待してさよならレセプションを催した。

 家族の都合で、単身赴任で公務に就いていた新美総領事はとても気さくで、だれにも気軽に接し、ゴルフを愛し、ワインをたしなみ、多くの人々から愛された方という印象が強く残っている。私が南カリフォルニア県人会協議会の会長に就任したことし1月から親睦を深め、もろもろの会合で顔を合わせた。帰任前の送別会の席上で「当銘会長とはよくご一緒しましたが、1年間県人会協議会のために出て行く回数は200日以上になるのでは」と聞いてきた。確かにその通りであった。県人会協議会はNPO組織なので無報酬、行事があるごとに会長が率先して寄付をするのが習わしだ。
 新美氏はそのようなことをよく理解し、5月19日には県人会協議会で活躍している10人を総領事公邸の「夕食会」に招待し、労をねぎらってくれた。「夕食会」には日本の食材を使用した料理の数々、日本の地酒やワインを楽しみながら会話に花を咲かせた。総領事公邸での「おもてなし」に招待者らは幸せな気分になった、と口々に語り合った。
 その席上、私が琉球新報のロサンゼルス通信員をしていることに触れ、沖縄の知事には誰が優れた候補者か、名前を挙げて質問してきたのは驚きであった。新美氏は外務省から出向する形で、7月1日付で衆議院国際部長に就任した、との情報が届いた。
 ご成功を祈る。
 (当銘貞夫、ロサンゼルス通信員)