スポーツ

浦商・天久15K 中部商・前田16K 県秋季高校野球第5日

 第64回県高校野球秋季大会第5日は14日、沖縄セルラースタジアム那覇などで1回戦6試合を行った。浦添商はエース天久太翔が15奪三振、被安打2で真和志打線を封じ、1―0で競り勝った。中部商もエース前田敬太が16奪三振完封の好投を見せ、北山を3―0で破った。

久米島は八重山農林に3―1で逆転勝ちした。このほか宜野座、南部工、美里が初戦を突破した。16日から2回戦が始まり、第1シードの沖尚と第4シードの那覇が登場する。

◆右腕、強気の直球 中部商・前田
 ピンチは何度も訪れた。初回から得点圏に走者を背負い、四回は無死から二塁打を浴びた。それでも中部商のエース前田敬太は強気だった。
 「自信のある球で押そう」。矢のような直球を放つと、打者のバットが空を切った。七回は1死満塁を連続三振で切り抜け、「ベストに近い状態だった」と胸を張る。9回を投げ終え、16個の三振を積み上げた。
 身長183センチの本格派右腕。高い位置から投げ下ろす直球が最大の武器だ。四回と七回のピンチを切り抜けたのも全て直球で「相手のリズムを崩して流れを持ってくる投球を心掛けた」と話す。
 打線も力投するエースを援護した。初回は四球で出した走者を犠打などで先制点につなげ、六回は2死三塁から牧志龍二と石川清将の連打で追加点を奪った。「味方の得点で気持ちが楽になった」と右腕はうれしそうに語る。
 新人中央大会は本調子ではなく、エースナンバーを背負えなかった。フォームの修正に取り組むことで、「真っすぐの球に体重が乗るようになった」。
 今大会は背番号1を身に着け、「秋までに1番を取りたかった」と負けん気の強さをのぞかせる。
 「自分が抑えればチームが波に乗れる」とエースの自覚も十分で、「今日の結果に満足しない」と次戦も全力投球を誓った。(平安太一)

◆浦商・天久 左腕、二塁踏ませず
 最後の打球が右翼手のグラブに収まると、緊張から解放されたマウンドの「背番号1」が表情を緩めた。浦添商の先発、天久太翔は六回を除く毎回の15三振を奪って2安打完封。相手エースとの投げ合いに「絶対負けないという気持ちだった」と二塁を踏ませない力投を見せた。
 今夏の県大会は二枚看板の1人として4強入りに貢献。この2カ月で体重を4キロ増やして下半身の強化にも取り組み、球の切れや制球を磨いてきた。この日は、腰をひねるトルネード気味のフォームから、右打者の内角を突く直球や角度のあるスプリットを投げ込んだ。けん制でアウトを取るなど冷静さも光った。
 本来は打たせて取る投球が身上。112の球数にも表れるように本調子とはいえず、本人も「ボールに力が伝わっていなかった」と納得していない。打線も初戦の硬さからか、スクイズで1点を奪うのがやっとだった。スクイズを決めた1年生捕手の金城慶也は「次は初球から積極的に打っていきたい」と修正を誓う。
 部員98人と県内屈指の大所帯を率いる宮良高雅監督は「抜けている子はいないが全体的にまとまっている。ここぞというチャンスでどうアピールしてくれるか楽しみ」。夏に届かなかった頂点へ、まずは一歩踏み出した。(大城周子)

◇きのうの結果
▽1回戦
美里 10―4 那覇西
久米島 3―1 八重山農林
浦添商 1―0 真和志
中部商 3―0 北山
南部工 9―8 北谷
宜野座 4―0 豊見城

◇きょうの試合
▽2回戦
【セルスタ】9時
沖縄尚学―宮古総実
糸満―南風原
那覇―那覇国際
【嘉手納】9時
具志川―球陽
名護―那覇商
普天間―北中城
【宜野湾】9時
陽明―八重山
首里―読谷


中部商―北山 力のある直球で16三振を奪った中部商のエース前田敬太=14日、宜野湾市立野球場(普久原裕南撮影)

真和志―浦添商 15奪三振2安打で完封勝利した浦添商のエース天久太翔=14日、沖縄セルラースタジアム那覇(諸見里真利撮影)