琉球新報社 やれ炭水化物抜けだの揚げ物やめろだの、ダイエット中には禁止しなきゃならんものが色々あるらしい。でも私が本当に抜かなきゃならないものは糖質なのか、脂質なのか。食べ続けちゃう理由、痩せられない本当の理由はそこじゃないのではないか――。本書はそんな疑問からスタートするコミックエッセーだ。
「ダイエット」と看板に掲げているのだが、精神科クリニックに始まり、前世を見て、野菜が食べたくなる催眠術をかけられ、箱庭療法に癒やされ、宇宙からの応援メッセージを受け取る……って文字にするとダイエットからはほど遠い、スピリチュアルまつり開催中な感が否めない。けれど主人公のエイコは、これらのセラピーを通して、自分を痩せられない状況に縛っているのは一体何なのか、突き詰めていく。
そうして出合った本当の理由。それは、憎しみ、嫉妬、悲しみのヘドロを超えた先にある、キラキラと澄んだ小川のような記憶だった。たしかに愛され、受け入れられていた、過去の優しい思い出だった。
自分自身を受け入れて、ただ受け入れて生きる。ダイエットの先にある再生の物語。
（大和書房 １０００円＋税）＝アリー・マントワネット
（共同通信）
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アリー・マントワネットのプロフィル
アリー・マントワネット ライターとして細々と稼働中。ファッション、アイドル、恋愛観など、女性にまつわる話題に興味あり。尊敬する人物は清水ミチコ。趣味はダイエット、特技はリバウンド。
