県勢9人、狙う上位 仁川アジア大会あす開幕


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仁川大会を「集大成」と位置付けるボウリング女子日本代表主将の石嶺可奈子=10日、北谷町のT・TBOWL美浜アメリカンビレッジ店(諸見里真利撮影)

 4年に1度の祭典、第17回アジア大会は19日、韓国の仁川(インチョン)で開幕する。大会は36競技で439種目が実施され、日本は選手712人を派遣。沖縄県勢は重量挙げ、ハンドボール、ボウリングの3競技に9人が出場し、上位進出へ期待がかかる。スタッフ陣の県勢にはテニスの高田充監督とボウリングの下地一秀コーチが名を連ねた。

◆ボウリング主将・石嶺 「集大成」へ挑む 格別な思いと手応え
 「競技人生の集大成」。ボウリング女子日本代表の主将を務める石嶺可奈子(SOLA沖縄学園)は力強いまなざしを向ける。10年以上、日の丸を背負ってきた33歳。格別な思いと確かな手応えを胸に自身3度目のアジア大会へ乗り込む。
 名護高1年時に競技を始め、2001年のアジアユース選手権を皮切りに数々の国際大会を経験。06年のアジア大会(ドーハ)ではダブルスで銅メダルを獲得するなどの実績を誇る。五輪の実施競技でないこともあり、石嶺は「アジア大会での金メダルを目標にチームづくりをしてきた。結果を残し、ボウリングという競技をアピールしたい」と語る。
 155センチと小柄で爆発力はないが、大崩れすることのない精度の高さが武器だ。仁川大会に向けて筋力や体幹の強化に加え、投げ出す瞬間のスピードを磨いた。高校時代から石嶺を指導し、日本代表コーチも務める下地一秀さんは「集大成に見合う過去最高の仕上がり」と太鼓判を押す。
 初出場だった06年のドーハ大会では銅と躍進したが、続く10年の広州大会はトリオ戦の5位が最高。主将としてもうまくチームをまとめられず「反省がたくさん残った」と振り返る。それから着実にキャリアを積み、意識も変わった。「広州の時は仲さえ良ければいいという単純な考えで、自分自身もいっぱいいっぱいだった。今はコミュニケーションを大切に、それぞれの技術や精神面を常に把握するよう心掛けている」。個性豊かなメンバーが集まる代表チームを、抜群の存在感で引っ張る。
 大会はシングルス、ダブルス、トリオの個人戦と5人チーム戦で争う。最大の目標はチーム戦での金メダルだ。「それまでに一つでも多くのメダルを取って勢いづけたい」。進化の証しを刻み、笑顔の表彰台を見据える。
(大城周子)