11月16日投開票の県知事選(10月30日告示)に出馬を表明した下地幹郎元郵政民営化担当相(53)は18日、那覇市内のホテルで記者会見し、政策を発表した。米軍基地をめぐる闘争が経済低迷を招いているとして貧困、学力低下といった負の連鎖を断ち切るため「所得格差の是正」を最大テーマに提示。三大改革として「教育改革」「所得倍増」と米軍普天間飛行場の辺野古移設を問う「県民投票」を打ち出した。
下地氏は「沖縄の戦後を今回の知事選で終わらせ、基地問題ばかりが争点となる構造を変える」と述べ、生活や教育の充実を訴えた。
県民投票は辺野古移設の是非を問い、反対の民意が示されれば「即時中止、撤回を政府と交渉する」と強調。それでも政府が工事を進める場合は代替案の提示のほか、「一つの選択肢」として琉球独立の県民投票も示唆した。移設賛成が多数を占めれば「防衛省任せではなく、知事が先頭に立って進める」と述べ、強く推進する考えを示した。
教育改革の主な政策として保育料や学童保育、給食費などを無料にする「こども教育費完全無料化」を掲げた。必要財源と試算する193億円は、県税収と一括交付金を合わせた2450億円から捻出する考え。
所得倍増では10年後に県内総生産(GDP)を現状比約1・6倍の6兆円に、県民所得を現在の202万円から300万円に増やすシナリオを発表した。
その実現に向け「地元企業の育成」「外向き経済」「沖縄への投資」の三つのキーワードの下、米軍嘉手納基地の軍民共用化、高速道路大改造などのインフラ整備による経済活性化に取り組むとした。沖縄21世紀ビジョンを全面的に見直す考えも示した。
県庁への外交局の設置や東京事務所に副知事を配置する副知事3人制、経済諮問会議設置のほか、県の主体性や知事のリーダーシップ強化も盛り込んだ。