平良(中部商)走り幅大会新 県高校新人大会


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 県高校新人体育大会は19日、陸上の第2日が糸満市西崎運動公園陸上競技場であり、女子走り幅跳びの平良さき(中部商)が大会記録を25年ぶりに塗り替える5メートル77で優勝した。

男子八種競技はシャープ宣(那覇西)が4年ぶりの大会新記録となる5201点をマークして頂点に立ち、三段跳びとの2冠を達成した。

◆剛・柔備え大跳躍/平良5メートル77 25年ぶり更新
 176センチの長身を生かしたダイナミックさと柔らかさを備えた跳躍で、四半世紀ぶりに大会記録を塗り替えてみせた。女子走り幅跳びを制した平良さき(中部商)。10月に控える日本ジュニア・ユース選手権、全九州高校新人大会、国体の連戦に向け、弾みをつけた。
 追い風1・9メートルと絶好のコンディション下、1回目でいきなり大ジャンプを披露した。「ふわっと軽く跳べた。しっかり踏み切れた分、滞空時間が長かった」。2回目以降は記録こそ伸ばせなかったが5メートル62や5メートル77と安定して刻み、「内容は悪くない」と笑顔に手応えがにじんだ。
 走力が上がり、体が絞れたことで動きにも切れが出た。助走から着地までの一連の動作に、自分なりの“型”を確立しつつある。6月の南九州総体で追い風参考ながら5メートル88の県高校記録タイ記録をマーク。その後は伸び悩み、全国総体も予選敗退に終わった。「来年こそ絶対に表彰台に上る」と悔しさを原動力に成長を期す。
 25年前の記録樹立者で現在は鏡が丘特別支援学校教諭の新垣(旧姓西銘)たけみさんは平良の素質を評価し、「私はいつもあと一歩のところで全国大会入賞を逃していた。彼女はコンスタントに入賞できるよう頑張ってほしい」。沖縄で女子初の6メートルジャンパーが誕生する日も、そう遠くはないだろう。
(大城周子)

◆抜群の身体能力 2大会連続更新/シャープ、安堵と喜び
 男子八種競技、最終種目の1500メートル。シャープ宣(那覇西)が大会記録を更新するための条件は5分4秒07以内で走ることだった。全力を振り絞ってラストスパートを掛け、ゴールに飛び込む。記録更新を告げるアナウンス。どしゃ降りの雨にぬれたトラックに倒れ込み、安堵(あんど)感と喜びをかみしめた。
 初めての八種競技挑戦で大会新記録を樹立した7日の県秋季大会に続く躍進で、点数はさらに272点上乗せした。以前、日本高校記録保持者の潮崎傑(兵庫・滝川第二)と合宿を共にした際に競技の魅力を教わり「いろんな種目を点数で争うのが変わっている。面白さに気付いた」と言う。
 米国出身の父と沖縄出身の母との間に生まれ、183センチの長身としなやかな体のばねが最大の武器だ。今大会は三段跳びも、追い風参考ながら大会記録を上回る記録で制した。
 一方で、走り幅跳びの着地や走り高跳びの空中動作など技術面はまだまだ荒削りで、経験の浅い投てき種目なども伸びしろがある。那覇西の仲宗根敏晃監督が「今まで見てきた中で3本の指に入る」と言う逸材。本人は全国上位は「まだ考えられない」としながらも、「ここまで来たらやってみようかなと思う。小さいところから活躍していきたい」と成長を期した。(大城周子)

女子走り幅跳び 25年ぶりに大会記録を更新して優勝した平良さき(中部商)=19日、糸満市西崎運動公園陸上競技場(諸見里真利撮影)
男子八種競技 激しい雨の中、最終種目の1500メートルで両手を挙げてゴールするシャープ宣(那覇西)