具志川、粘り初8強 県秋季高校野球第8日


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那覇―具志川 延長12回具志川2死二塁、森山雅之の決勝打で生還した當山竜生(3番)を迎える具志川ベンチ=21日、コザしんきんスタジアム(金良孝矢撮影)

 第64回県高校野球秋季大会第8日は21日、沖縄セルラースタジアム那覇などで3回戦4試合を行い、具志川は延長十二回の末に第4シードの那覇を4―3で下し、初のベスト8入りを決めた。

2回戦で第1シードの沖縄尚学を破って注目された宮古総実は名護に0―10の六回コールドゲーム負け。糸満は八重山に8―0の七回コールドで快勝し、首里も北中城を7―0の七回コールドで破った。名護は7年ぶり15度目、糸満は3年ぶり23度目、首里は3年ぶり24度目の準々決勝進出。大会第9日は23日、3回戦の残り4試合を行い8強が出そろう。

◆延長十二回、シード撃破
 具志川が第4シードの那覇を破り、創立32年目で初めて8強の扉を開いた。
 三回までに3点を先行した後はぴたりと得点が止まり、七回には3安打に失策も絡んで同点とされた。だが、嫌な流れにもベンチの士気が下がることはなかった。1回戦の石川戦で終盤に逆転した自信もあった。
 そして延長十二回。2死から當山竜生が「どんな球でも思い切り振っていこう」と左越え二塁打を放ち、続く森山雅之が「ピッチャーが頑張っていた。ここで決めないといけないと思った」と中前適時打でしぶとく決勝点を奪った。
 3試合連続先発のエース川野裕司も、同点に追い付かれた場面で「しっかり踏ん張ろう」と気持ちを入れ直し、八回以降は三塁を踏ませなかった。161センチの小さな体を目いっぱい使い、3試合で投げた球数は398。投手には珍しい打順1番を任され、この日も2安打1盗塁の活躍で攻守の柱として勝利に導いた。
 主将の當山は「厳しい試合をものにできてうれしい」と喜び、山里貞俊監督は「指示待ち(の姿勢)を変えようとやってきた。自分たちで考える野球ができてきた」と成長に目を細める。春、夏を合わせても8強が県大会での最高成績。指揮官は「OBが積み重ねてきたものがある。勝って歴史をつくることが恩返しになる」と悲願達成へ意気込んだ。(大城周子)

<21日の結果>
▽3回戦
名護 10―0 宮古総実
 (六回コールド)
糸満 8―0 八重山
 (七回コールド)
具志川 4―3 那覇
 (延長十二回)
首里 7―0 北中城
 (七回コールド)

<きょうの試合>
▽3回戦
【宜野湾】10時
嘉手納―八重山商工
前原―中部商
【しんきん】10時
コザ―美里工
宜野座―浦添商