琉球キングス、白星発進 TKbjリーグが開幕


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 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングスは4日、愛知県の豊橋市総合体育館で浜松・東三河フェニックスと開幕戦を行い、77―67で勝利、2014―15シーズンの初戦を白星で飾った。

第1クオーター(Q)では、キングスが岸本隆一やアンソニー・マクヘンリーを中心に攻めてリードを保ったが、第2Qはミスから失点して一時、浜松に逆転を許した。それでも激しい守備から流れを取り戻し、ドゥレイロン・バーンズの速攻などで主導権を握った。42―24とリードして迎えた第3Qから浜松に流れが傾いた。ターンオーバーが増え始めたキングスに対し、浜松は内外から効率よく得点して追い上げた。第4Qは浜松が連続で3点シュートを決めてリードを縮めた。キングスはキブエ・トリムがインサイドで粘り強く得点し、最後はファウルゲームに持ち込んだ浜松の猛攻をしのいだ。浜松との第2戦は5日午後1時半から同体育館で行われる。

琉球ゴールデンキングス(1勝)
77―67(18―15,24―9,16―15,19―28)
浜松・東三河フェニックス(1敗)

 【評】キングスが終盤に猛攻を仕掛けた浜松を振り切った。キングスは第1Q、岸本や小菅が外から得点して勢いに乗った。第2Qは堅守から浜松のミスを誘発すると、バーンズらの得点で主導権を握った。第3Qは浜松が勢いを増し、外国籍選手を中心に得点を重ねた。第4Qも浜松が優位に立ったが、キングスは要所で得点して逆転を許さなかった。(平安太一)

◆反撃しのぎ、価値ある1勝
 苦しんだ末につかんだ1勝だった。前半で18点差をつける強さを見せながら、後半は浜松の猛攻を許して1桁の得点差まで詰め寄られた。伊佐勉HCは「前半は練習でやったことが出せたけど、後半はできなかった」と言う。新シーズン最初のゲームで勝利した価値は大きいが、多くの課題を残した一戦だった。
 第1Q、チームの起爆剤となったのは岸本隆一だった。得意の3点弾でリングを射抜くと、多彩なパスワークで仲間をもり立てた。「チームとして動きのあるバスケをできた結果だ」と岸本は周囲の支えに感謝する。さらには「いいシュートの感覚があった」と言うマクヘンリーが内外からリングをこじ開け、チームの雰囲気を盛り上げた。
 流れが変わったのは第3Qだった。キングスのシュートがリングに嫌われ始め、簡単なミスからボールを失った。並里成がゲームをコントロールして持ちこたえたが、第4Qには浜松に連続で3点弾を決められて劣勢になった。
 岸本は「後半は受け身に回ってしまった」と反省するが、「勝てたことは良かった」と一定の手応えを感じている様子だ。しかし、「今のままでは去年を超えられない」ときっぱり。引き締まった表情には、リーグの頂点を目指す強い決意がにじんでいた。(平安太一)

◆兄弟対決は「楽しかった」 浜松の並里祐
 浜松の並里祐は、先発メンバーとして出場し、第1Qから弟の成とマッチアップをするなど激しい戦いを繰り広げた。「久しぶりに一緒にバスケができて楽しかった」と充実した表情をのぞかせた。
 コートでは「(成を)特に意識せずにチームが負けないことを考えた」。序盤から積極的にリングに向かい、6得点4アシストを記録した。「スピードに乗って攻めることができた」と語る。一方で「ボールを持ちすぎることがあったので周りをもっと生かしたい」と課題も口にした。
 チームはシーズン開幕戦で勝利を逃し、「ファンの期待に応えられず悔しい」と肩を落とす。そして「明日は絶対に修正する」と次戦に向けて気合を入れた。

浜松―キングス 第2クオーター、リング下に素早く切れ込んでシュートを決める岸本隆一=4日、愛知県の豊橋市総合体育館(平安太一撮影)
弟の並里成(右)とマッチアップする浜松の並里祐