県知事選 保守分裂で対応変化 経済団体、複数支持も


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 県内の主要12経済団体は6日までに、11月16日投開票の県知事選への対応を決めた。知事選への組織対応はしない3団体を除く全9団体が現職の仲井真弘多氏を推薦する。

ただ前回自主投票だった県建設産業政策推進連盟(県建設業協会の政治団体)は仲井真氏を推薦する一方、下地幹郎氏(元郵政民営化担当相)も支持するとの異例の対応を決めるなど、従来から変化も見られる。仲井真氏の推薦団体の中には翁長雄志氏(前那覇市長)を支援する勢力もあり、保守系が3分裂したことから対応に苦慮し、困惑した様子もうかがえる。
 6日の役員会で知事選対応を決めた県建設産業政策推進連盟には3陣営から推薦依頼があった。下地米蔵会長は「3者とも業界のためにやってきてくれた」とした上で「業界も割れている」と難しい判断を迫られたことを明かす。翁長氏については「米軍普天間飛行場の危険性除去に向け、辺野古移設は推進する」との業界の立場から、連盟として支援はしないことにした。
 同政策推進連盟は過去の知事選では対応を会長に一任していたが、今回は2回の正副会長会議に加え、県内7支部で会議を開催。内部での対立を避けるために丁寧に手続きを踏んだ。
 全体的には同連盟を含め、知事選対応を決めた全団体が推薦するなど、仲井真陣営が現職の強みで経済団体の支援を引き寄せている。ただ沖縄経済同友会や県商工会連合会など、仲井真氏を推薦する団体の中にも翁長氏支援のグループや個人を抱える所もあり、各団体とも一枚岩ではない実情も垣間見える。
 県農業政治連盟は6日に那覇市内で仲井真氏に推薦状を交付し、政策協定を締結。政府が進める農協改革でJAの自己改革を支持することなどを盛り込んだ。水産10団体の県水産業振興対策協議会は当初、自主投票の方向だったが、仲井真氏の日台漁業取り決めなどへの対応を評価した。(’14知事選取材班)