「先住民なら顔真っ黒」 照屋氏、発言後取り消し


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 自民党の照屋守之幹事長が2日の県議会9月定例会一般質問で琉球人の差別問題を取り上げた際「沖縄先住民はぼろぼろのようなイメージで、顔も真っ黒」などと発言したことについて、発言の取り消しを求める申出書を喜納昌春議長に提出していたことが分かった。

国連人種差別撤廃委員会に琉装で出席した糸数慶子参院議員(社大党委員長)に対し「マンションも三つあって、外国に行ったらカジノもやる」と発言したことも取り消す。申出書の提出は3日。10日の県議会最終本会議で諮る。
 照屋氏は県議会で、国会議員は国連ではなく国会で問題解決を図るべきだと主張した上、糸数氏の服装が「琉球王朝の格好」だったと指摘。質問中、糸数氏の名前は出さなかったが「沖縄先住民と言ったらぼろぼろのようなイメージで、顔を真っ黒くして行くんだったらいいけれども、この人(糸数氏)はマンションも三つ持って、国会議員としていくらかの報酬がある」と述べ、暗に糸数氏の言動を非難していた。
 9日の県議会議会運営委員会は照屋氏の発言取り消しが議題となり、野党会派の議員は「議会の信頼をおとしめた」「人種差別的で失礼だ」などと批判した。
 社大党は人種差別や個人を誹謗(ひぼう)中傷する発言の再発防止を促す決議案を用意し、各会派と調整している。県議会での照屋氏の発言を聞き、提出するか見極める。
 照屋氏は9日、取材に対し「適切でない表現だと振り返って気付き、おわびを申し上げて削除を議長に申し入れた」と経緯を話した。