仕事・家庭と学業両立 北農定時制で前期卒業式


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恩師や家族、後輩らの祝福の中、北部農林高校定時制課程を卒業した7人=8日夜、名護市の同校

 【名護】県立北部農林高校定時制課程の第56回前期卒業式が8日夜、名護市の同校で開かれ、男女7人の門出を祝った。卒業生らは巣立ちのあいさつで、仕事や家庭と学業の両立で苦労した日々を振り返りながら、「甘えない心を培った」「辛抱強く頑張り、自身を変えることができた」「周りの応援があり、この幸せな日を迎えることができた」など、それぞれが喜びを語った。

 卒業したのは新川裕之さん(31)、新城将志さん(18)、金城翼さん(18)、崎浜健吾さん(27)、宮里望さん(20)、喜納礼奈さん(21)、島袋音瀬さん(20)の7人。家族や友人、在校生らが見守る中、中石直木校長から一人一人に卒業証書が手渡された。
 最年長の新川さんは、今帰仁村古宇利島で祖父母と暮らす。全日制の県立高校を中退。成人者として特別募集で定時制に入学した。家族の介護をしながら学生生活を送り「一区切りついた感じがある。今後は介護士を目指し頑張りたい」と抱負を述べた。
 島袋さんは1児の母親で、「夫の支えがありがたかった。子どもの成長も励みになった」と感謝の気持ちを表した。崎浜さんも小学生の子どもを持つ父親。「一人何役もこなさないといけなくて苦労も多かったが、頑張って良かった」と振り返った。
 中石校長は式辞で「定時制の温かい光の下で仲間たちと共に学んだ楽しい思い出と自覚を忘れずに、社会全体へ貢献できる人になってほしい」と激励した。