【島人の目】ジャパンハウス構想


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 在ロサンゼルス堀之内秀久総領事(56)が着任した。9月24日、地元政財界や日系主要団体の代表ら430人を招待し、ハンコックパークの総領事公邸で盛大なレセプションが開かれた。堀之内総領事は東大法学部卒後外務省入省、南京大学、ハーバード大学院に留学後、2014年にロサンゼルスに赴任するまで在中国大使館特命全権公使を務めた。

 総領事は着任あいさつの中で「世界最大の在留邦人数を誇り、100年以上の歴史の日系社会を持つロサンゼルスに就任できたことは光栄です」と語り、二つの秘密情報を明かした。
 トップシークレットその1は、来年の「ジャパンハウス」開設のため、外務大臣政務官・薗浦健太郎氏の異例のロサンゼルス訪問があったことを報告した。「ジャパンハウス」はサンパウロ市のほか、ロサンゼルス、ロンドン、ジャカルタ、香港、イスタンブールといった世界の主要6都市以上で開設予定という。政策広報をはじめ先端技術や工芸品、ファッションからアニメや漫画、芸術分野、さらに日本食や観光情報まで、幅広く親日家を増やすための総合的な情報発信ができる拠点となるよう中身を充実、交流の場とすることなどに主眼点を置いているようだ。
 メディアの情報によると、情報発信強化のための外務省の15年度予算案の概算要求は約500億円。最終決定は来年3月31日だ。6都市の中でもロサンゼルス、ロンドン、サンパウロ市は早急に話をまとめたいようだ。
 秘密情報その2は、愛妻オランダ出身のサビーン夫人の誕生日が9月24日であり、年齢についてはシークレットだと笑いを誘った。私が「総領事とサビーンご夫妻を見ていると、NHKの朝ドラを思い出す」というと、サビーン夫人は「『マッサン』でしょう、毎日楽しく見ていますよ」と返事があった。夫人は日本語も上手で、「着物も自分で着ることができる」と私の妻にユーモアを交えて語ったという。100年以上の月日がたったとはいえ、ドラマのエリーとサビーン夫人の共通点は「ヨーロッパ女性が真の日本女性になろうと努力する姿」がほほ笑ましく映し出されて忘れがたい。
(当銘貞夫、ロサンゼルス通信員)