【アメリカ】ムラツチさんに県人会 熱い期待 沖縄生まれの加州議員


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
2012年の選挙で、当選の喜びを分かち合うムラツチさん夫妻と比嘉朝儀さん(右)

 米空軍嘉手納基地の陸軍病院で生まれたアル・ムラツチカリフォルニア州議員は18歳まで北中城に住み、クバサキ・ハイスクールを卒業した。両親は他府県出身だが、「私はウチナーンチュ」と、最近コミュニティーのブースで知り合った北米沖縄県人会の國吉信義会長に親しく語っている。

 沖縄でハイスクール卒業後、カリフォルニア大学(バークレー校)に進学し、UCLAのロースクールでも学んだ。州や郡の検察官や学校区の教育委員などを務めた後、2012年に州議会の第66区から立候補し、同年11月の選挙で見事当選した。
 第66区はサウスベイの12の市を含んでいる(北米沖縄県人会が位置するガーデナ市もその区域内にある)。州議員の任期は2年でことし11月には再選挙がある。ムラツチさんは民主党系だが、共和党系に強力なライバルがいる。6月の予備選挙では五分五分だったが、本選挙では油断できない状態だ。國吉さんは「ムラツチ議員は日系人で、しかも沖縄生まれ。40代の若さで将来中央政界で活躍してほしい人。沖縄の現状をよく知っており、11月の決戦選挙でもぜひ当選してほしい」と語っている。
 12年の選挙では、ムラツチさんを元県人会協議会会長の比嘉朝儀さん家族が応援した。比嘉さん家族は第66区地域に居住している。
 ムラツチさんの妻・樋口博子さんは、兵庫県芦屋市生まれ。東京大学大学院後期博士課程在籍だが、最近サウスベイに家族で居を構えた。かつて全米でその名が知られたダニエル・イノウエ氏やノーマン・ミネタ氏などのような傑出した日系政治家の登場が皆無に近い状態で、ムラツチさんの今後に期待している日系人は少なくない。
(当銘貞夫通信員)