琉球追い付く 盛岡と1―1 J3リーグ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
前線からのプレスでボールを奪い、チャンスをつくるFC琉球のDF浦島貴大=25日、沖縄市陸上競技場(諸見里真利撮影)

 サッカーJ3のFC琉球は25日、第28節を沖縄市陸上競技場で行い、グルージャ盛岡と1―1で引き分けた。琉球は7勝10分け12敗で勝ち点31、8位のまま。3戦連続の引き分けで、6戦勝ちがない。琉球は1点を追い掛ける後半ロスタイム、コーナーキックをDF浦島貴大が頭で決めて追い付いた。

次戦は「全島サッカー1万人まつり」の一環として11月2日午後1時から、Jリーグ・アンダー22選抜と同競技場で戦う。

琉球(7勝10分け12敗)(31)
 1―1(0―1,1―0)
盛岡(11勝8分け10敗)(41)
▽得点者【盛】菅原【琉】浦島

 【評】FC琉球が土壇場で追い付いた。琉球は前半、盛岡の堅守を前に、ボールを運べず、シュートは1本だけだった。前半43分にはコーナーキックから失点を許した。後半は中山、青木、藤澤らが前戦で流動的に動いて好機をつくるが、ゴールを割れない。試合終了間際、コーナーキックに浦島が頭で合わせ、勝ち点1をもぎ取った。(荒井良平)

◆パターン変え浦島が同点弾 土壇場、頭で決める
 1点を追い掛ける後半ロスタイム。コーナーキックのチャンスにもかかわらず、DF浦島貴大は相手ゴール前から姿を消していた。MF富所悠が蹴りだすタイミングに合わせ、後方からファーサイドのスペースに走り込む。大きな弧を描いたボールを浦島の頭が捉え、ゴールネットを揺らした。土壇場の同点弾に「負けは避けたかった。引き分けられて良かった」と胸をなで下ろした。
 序盤からグルージャ盛岡の堅い守備に苦しめられた。後半から攻撃陣が奮起し、チャンスをつくるが攻め切れずにいた。
 試合終盤のコーナーキック。浦島はこれまでゴール前に張って相手DFと競り合っていたが、最後の好機にパターンを変えた。「練習から富所と試していた」という後ろから走り込む形が決まり、敗色濃厚だったチームを救った。
 174センチと身長は高くないが、ヘディングを武器にセットプレー時の得点源として活躍している。「相手は僕よりも大きい。普通に競っても勝てないのでスピードでいったり、タイミングを外すことを考えている」と頭脳的なプレーが光る。
 8日に第1子の長男・昊大(こうだい)君が生まれた。父親になって初得点だったが、逆転を目指してすぐに定位置へ戻ったため「ゆりかごダンス」はできなかった。「次の試合は先制点を取ってその時にやりたい」と意気込んだ。(荒井良平)

◆大きな勝ち点1
 薩川了洋監督(FC琉球)の話 最後にセットプレーで追いつき、大きな勝ち点1を拾った。ただ引いた相手に対してボール保持はできるが、シュートまで持っていけない。(対戦が)3巡目に入って負けないが、勝てない。勝てるチームに変化しないと勝ち点が積み上がらない。

◆守り切れなかった
 鳴尾直軌監督(グルージャ盛岡)の話 アウェーということもあり、勝ち点1を持ち帰りたかった。守備を厚くして中を使わせないようにして、0―0でいいというつもりだった。最後の最後で守り切れなかったのは残念だった。