【アメリカ】互助精神の大切さ享受 県系2世、マッシュバーンさん


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前列右から父のデニスさん、ドミニークさん、母のあき子さん。後列左が兄のベレットさん、妹のノエルさん

 「自分の夢実現のためにしっかりと地面に足を着けて、大きく羽ばたいていくことが大事ですよ」と、よく小さい時に祖母に言われた。その精神が母に受け継がれ、そして今自分がその意味を深く心に刻んで成長してきた、と沖縄出身の母を持つドミニーク・マッシュバーンさん(22)は語る。

 ドミニークさんの祖母・瀬底絹子さんは沖縄戦当時の「ひめゆり学徒隊」の生き残りで、16歳で沖縄女子師範学校に入学、将来教師になる夢実現のため懸命に努力を重ねた。その志を受け継いで、ドミニークさんの母・大城あき子さん=石垣市大川出身=は琉球大学保健学科を休学後、スーツケース二つを提げてアメリカへと渡った。保健科学の研究を究めたいとの夢が大きく膨らんだためだ。
 どのような障害が前途に横たわっているにせよ、誰でも夢の実現でそれらに打ち勝つことができる。祖母は終戦後、沖縄で教育者になり、母は現在、アメリカで多くのドクターに仕えるセラピストとして働いているという。
 「私がこの崇高な精神を受け継ぎ、二世ウイークを通じて日系社会に貢献している」とドミニークさんは語る。
 13歳の時に地域でボランティア活動に従事、互助の精神の大切さを享受し、幸せとは何かをつかんだ。現在はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で科学とアートの学位取得のため、地球・環境科学部で学んでいる。
 二世ウイークでは、女性ボランティア・グループの使節団として10月下旬に、ロサンゼルスの姉妹都市・名古屋を訪問した。
 「日系人の一人として、米国社会にどのように若い世代が溶け込んでいったらよいか模範を教示し、遺産の継続の重要性を説いていきたい」とドミニークさんは心をときめかせている。
(当銘貞夫通信員)