減らぬ違法設置 のぼり・ポスター 撤去要請に“逆ギレ”も


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トラックに積まれ撤去された違法な選挙ポスターやのぼり=29日、那覇市

 11月16日投開票の知事選を前に立候補予定者の氏名が記載されたのぼりやポスターが県内各地の路上で数多く目に付くが、これは公職選挙法に抵触する行為だ。住民から「のぼりが歩行時に引っかかり危険だ」などの声が上がっている。

県土木建築部は「不法占用物」として29日、県道ののぼりなどを撤去した。
 公職選挙法では告示の前後にかかわらず選挙事務所があることを知らせるために、事務所の敷地内にポスターや立て札、看板などの掲示を合わせて三つだけ認めている。今回は仲井真弘多知事の任期満了半年前の6月10日以降、事務所敷地外で氏名を記載したのぼりやポスターなどの掲示は禁止されている。
 県選管は説明会で関係者へ注意喚起し、撤去の通知・命令をしているが、のぼりやポスターが減る様子は一向に見られない。昨年の参院選で命令件数は3648件に上った。公職選挙法だけでなく、県道路管理課は「道路法や屋外広告物条例でものぼりなどの設置は禁止だ」と指摘する。
 本島中部に住む40代女性は家の周辺ののぼりが歩行時に邪魔になるため、候補予定者の後援会事務所に撤去依頼の電話をしたが“逆ギレ”されたという。女性を他候補者の支持者と疑い「選挙妨害だと訴える。ほか(の候補者)にも電話しろよ」と応対された。「公選法違反をしているのにおかしい」と女性は憤る。
 立候補予定有力4氏の陣営関係者は「陣営としての設置はしていない」(仲井真陣営)「法令順守が基本だが他陣営の動きと相対的な面もある」(翁長陣営)「美観を損ねて心苦しいが県民の意識を高めるために必要」(下地陣営)「のぼりは支持者が欲しいと言えば渡す」(喜納陣営)と答えた。
 県選管は「公正公平な選挙のためルールがある。候補者は順守してほしい」と呼び掛けている。(’14知事選取材班)