島の戦跡、歌碑巡る 伊江島でミステリーツアー


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「阿良御嶽」を解説する講師の川島淳さん=10月25日、伊江村の阿良御嶽

 【伊江】伊江村東江前の一般財団法人わびあいの里は10月25日、村の歴史や現状を深く学ぶための勉強会「第3回伊江島を巡る」を開催した。民泊受け入れ民家にも役立ててもらおうと、今回は「伊江島ミステリーツアー」と題し、同村の戦跡や歌碑、民話、水にまつわる土地など村内13カ所を巡った。

 講師は、元伊江村史編さん委託員で、現在、伊江島考察史の現代語訳に携わり、那覇市歴史博物館古文書解読員の川島淳さんが務めた。
 川島さんはガイド案内のポイントや心得について「自身が島の良さを知り、その良さを相手に伝えることと、その場所に関連する歴史や民話、民謡、芸能、スポーツなどを組み合わせ、思い出話などを話すとよい」と助言した。
 戦争遺跡として当時のまま残されている公益質屋跡では、戦後、小学1、2年生がこの場所で勉強したとの説明があった。参加者の一人が「『青空教室』としてここで学んだ。民泊の生徒を案内する時、『おばあはここで勉強したよ』と話している」と証言した。
 また、戦前のかやぶき屋根の民家が復元された西江上区のアハンニフムイ(赤嶺小堀)では、偶然にも住民の伊地知紹彦さん(78)に出会い、「この場所は池だった。牛も豚も人もみんな泳いだ」などの証言を聞いた。
 民泊を受け入れている安里正春さん(76)は「新しい発見があり大変勉強になった。村史を見直し、学んだことを生かしたい」と話した。
(中川廣江通信員)