政治への関心は歌から 知花さんらがサイト開設


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「若いミュージシャンのメッセージが、沖縄の未来を判断する上での材料になれば」と話す知花竜海さん=9日、宜野湾市内

 
 「沖縄のミュージシャンが沖縄のことを歌うのは自然だ。政治の話をタブーにしてる空気を変えたい」―。

16日投開票の県知事選を前に、若者が政治を考えるきっかけをつくりたいと、音楽イベントチーム「Peace Music」を中心としたメンバーが、沖縄の社会問題をテーマにした曲をまとめたウェブサイト「沖縄メッセージソングまとめ」を5日から公開している。共同代表でミュージシャンの知花竜海さん(34)は「青い海や青い空、ラブソングだけではない沖縄の歌をまとめた。意見や主張を問わず、沖縄の未来を判断する上での材料になれば」と語る。
 すでにネット上にある映像や音声を使用しており、10日時点で57アーティスト約80曲を解説付きで紹介している。楽曲は随時追加予定だ。基地、環境、戦争、平和、アイデンティティーなど沖縄が抱える問題を、県内を中心とした90年代以降の若いミュージシャンがどのように表現し、歌ってきたかが集約されている。
 公開以降、ツイッターやフェイスブックを中心に拡散され、10日までの6日間に6千件近くのアクセスがある。
 サイト開設を思い立ってから、わずか約2週間で仲間と共に公開まで踏み切ったという知花さん。「基地や政治の話題を自由に言えない空気がある」と感じているといい、「それが若者の政治離れの一因だと思う」と話す。「サイトを通じ同世代の表現に触れることで、若者一人一人が沖縄の問題を自分の問題として捉え、投票に行ってほしい」と思いを語った。
 楽曲の情報提供も受け付けている。サイトURLはhttp://peace-music.org/matome
(長浜良起)