大活劇に観客夢中 金武町で組踊版「スイミー」


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組踊版「スイミー」を演じた(左から)藤戸瑛子さん、喜納彩華さん、上原信次さん、新城唯子さん、川満香多さん、玉城匠さん、仲里綾香さん、伊藝武士さんら=1日、金武町

 【金武】金武町教育の日特別公演(町教育委員会、県、国立劇場おきなわ運営財団主催)が1日、町立中央公民館で開催された。組踊版「スイミー」(嘉数道彦脚本・演出)や男性舞踊家による琉球舞踊が披露された。

金武町出身で共に県立芸大4年の喜納彩華さん(22)、伊藝武士さん(22)も出演し、組踊の魅力を伝えた。
 組踊版「スイミー」は絵本「スイミー」を基にした組踊の入門編。舞台を沖縄の海に置き換え、スイミーならぬスルル小(キビナゴ)が親兄弟を食べたジンベエザメに敵討ちを挑む。
 喜納さんは北の魚たちに助太刀を頼むタコを演じ、にゅるりとした手の動きや語りで笑いを誘った。サンマ役の伊藝さんは強烈な女形で登場。魚たちの活劇に大人も子どもも夢中になった。
 公演後、伊藝さんは「男の役と思っていたので驚いたけど、お客さんにも受けて楽しく演技できた」と話した。喜納さんは昨年、町立嘉芸小学校の児童に再構成した「スイミー」を指導したこともある。「これを機に古典にも親しんでほしい」とほほ笑んだ。
 男性陣による琉舞は迫力ある演技やきれいな女形、コミカルな女形で客席を沸かせた。公演前の式典では功績のあった教育関係者や児童が表彰された。