宜野湾3集落の「村遊び」特徴紹介 資料多彩に企画展


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宜野湾市内3集落のムラアシビを伝える企画展=9日、市立博物館

 【宜野湾】宜野湾市の野嵩、普天間、新城の3集落で今も数年おきに開催されるムラアシビ(村遊び)を紹介する企画展が、宜野湾市立博物館で開催されている。歴史的経過と各地の芸能の特徴・魅力を約160点の写真やパネル、実物の舞台小道具の展示を通して伝えている。30日まで。

 3集落のムラアシビには、普天間は狂言、新城は歌劇、野嵩は時代劇といった特徴がある。ともに神行事としてムラの神様に豊作と繁栄を感謝するとともに、向こう1年の祈願をする目的で継承している。
 普天間のムラアシビのコーナーでは、獅子頭などを展示した。行事の始まった由来は不明で、5年マール(回る)の丑(うし)・巳(み)・酉(とり)年に行われる。
 新城はタントゥイ(種子取)アシビといわれ、1890年に始まったとされる。病気の流行で易者から7年に1回アシビを行うよう指示されたとの伝承があり、7年マールで寅(とら)・申(さる)年に行われる。4人一組で8組をつくり踊る総踊り(スーウドゥイ)の衣装や小道具を展示している。
 野嵩のムラアシビは、琉球王国時代の末期1860年ごろ、病気の流行を機に始まったとする伝承があり、7年マールで開催されている。組踊「忠臣護佐丸」の戦後直後からの衣装を展示しているほか、小道具などを展示している。
 「宜野湾の伝統芸能」をテーマにした第6回市民講座も9日、同博物館であった。講師の比嘉悦子館長はエイサーや綱引き、獅子舞など今も残る市内各地域の伝統芸能を、映像を交えて紹介した。問い合わせは宜野湾市立博物館(電話)098(870)9317。