【ロサンゼルス】神谷さんに奨学金 南加県人会協


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 南加県人会協議会は10月19日、第35回奨学金募集のための演芸会チャリティーショーを、米ロサンゼルスリトル東京の日米劇場で開催した。県人会協議会創立50周年の祝賀式典の一環で、約600人の観客が訪れた。

 プログラムの第1部は、南加県人会協議会加盟の13県人会の会員らが日ごろの練習を存分に発揮。ミュージックバンド、民舞、歌謡曲、コーラス、民謡、歌とダンス、日本舞踊など18演目を披露した。沖縄県人会は宮城流能松会の門下生による「野原遊び」を披露し、客席から大きな拍手を浴びた。
 休憩を挟んで、育英奨学金授与と表彰式が行われた。広島県人会推薦の長井翔さんが珠算、福岡県人会推薦の金川晴佳さんが小倉祇園太鼓、宮崎県人会推薦の木村名実さんが日本語、北米沖縄県人会推薦の神谷ジョセフさん(27)が沖縄三線で受賞。それぞれ千ドル(約10万円)と賞状が授与された。
 神谷さんは、カリフォルニア生まれの3世で、親子3代にわたって日系、県系社会に貢献した北米沖縄県人会を代表する家族の一員だ。神谷さんは、人間国宝の照喜名朝一氏の指導を受け三線の腕を磨いた。さらに上達したいとの思いから、11月7日にロサンゼルスをたち、照喜名氏の指導を仰ぐため沖縄へと向かった。北米沖縄県人会では彼の門出を祝福して激励会を開催した。今回の表彰や、沖縄への出発に、神谷さんは「なんと自分は幸せ者だろう。家族、沖縄県人会、南加県人会協議会の皆さんに感謝の念をささげたい」と涙ぐんだ。
 チャリティーショーの最後は長崎県出身の歌手・五島有紀さんの公演があり、オリジナル曲「夢の架け橋」をはじめ懐かしのメロディーを盛り込んで観客を沸かせた。五島さんは日本歌手協会の理事。ショーの後、公演のため全国を巡演したが「沖縄が強く印象に残っている」と話した。
 着任後初めてチャリティーショーに訪れた堀之内秀久総領事は「予想していた以上のレベルの高さで、本当に驚いた」とコメントした。(当銘貞夫通信員)

当銘貞夫南加県人会協議会会長(右)から奨学資金と賞状を授与される神谷ジョセフさん=米ロサンゼルス、リトル東京日米劇場
熱唱する五島有紀さん=米ロサンゼルス、リトル東京日米劇場