小浜島で25年ぶりに雨乞い 祈りの最中に小雨


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 【小浜島=竹富】少雨の影響で八重山地域の水不足が深刻化する中、竹富町小浜島で約25年ぶりとなる雨乞いの儀式が行われた。神司(かんづかさ)7人が雨乞いの唄を歌い始めると小雨が降り出し、祈りを見守っていた島民に期待感で笑みがこぼれた。

 雨乞いの儀式は同島の嘉保根(かぼね)御嶽の敷地内に置かれている「ガンドゥラ(雷)石」に、神司が雨が降るよう祈りをささげた後、ガンドゥラ石を集落の中央に位置する道路に運び、島の青年らが石を担いで力比べを楽しんだ。ガンドゥラ石は古くから雨乞いの儀式に使われてきたもので、担いで落とすと「ごろごろ」という音が響くことから、雷を呼び雨をもたらすと伝えられているという。
 続いて、神司が雨を呼ぶ唄を歌ったり、願いの口上を述べたりして祈願した。
 小浜公民館の浦底透館長は「まとまった雨が降らない。サトウキビは枯れて深刻な状況だ。祈りが天に届くことを願っている」と期待した。雨が降らなかった場合はさらに次の儀式を進めていくことになるという。
英文へ→Light rain amid rain-making rituals on Kohama Island

担いで地面に落とし雷のような「ごろごろ」という音を響かせることで雨雲を呼ぶという「ガンドゥラ石」を担ぎ力比べを楽しむ島の青年ら=18日、竹富町小浜島
「ガンドゥラ石」に、祈りをささげる神司=18日、竹富町小浜島