衆院解散で県内各党は臨戦態勢 「辺野古」再び争点に


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 安倍晋三首相が衆院解散を明言した18日、県内各党はそれぞれ総選挙に向けた協議を始め、臨戦態勢に入った。与党の自民党県連は現職4人の議席死守に取り組む方針。米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対し、知事選を自主投票とした公明党は、移設を容認する自民との選挙協力を白紙から議論する予定だ。

一方、野党各党は知事選を勝利した枠組みで動きを加速させている。空白の沖縄4区での擁立に向けた作業も本格化し、全選挙区で「自民候補の落選」を目指す。

<与党>
 自民党県連は18日、県連役員が会合を開き、衆院の現職4人が再出馬する方針を確認した。敗北した知事選の総括も並行して行い、戦略を練る。照屋守之幹事長は記者団に対し「(知事選の得票を見ると)ほとんどの選挙区で負けている」と述べ、厳しい戦いになるとの見方を示した。
 また「基本的には国政の連携だ。自民、公明の連携は基本だ」と述べ、公明党に選挙区への協力を求める考えを強調した。争点については「消費税の増税を先送りし、信を問うのはいいことだ。国政運営に対しても評価される」と話した。
 一方、公明党県本は議員総会を開催し、比例での取り組みを先行させることを確認した。自公両党の選挙協力について金城勉幹事長は「普天間飛行場の県外、国外移設は一貫して変わらない。われわれのスタンスを自民党がどう受け止めるかということだ。簡単ではない」と述べ、白紙から協議する考えを示した。

<野党>
 社民党県連、共産党県委、社大党、生活の党は知事選の「オール沖縄」の枠組みで自民現職に対抗することを模索する。候補者の競合を避ける政党間調整が鍵を握る。空白の4区は元自民党県連顧問の仲里利信氏を推す声があるほか、南風原町長の城間俊安氏の出馬も取り沙汰されている。
 野党側は1区の共産、2区の社民、3区の生活の3現職議員の再出馬が有力視されているが、競合可能性のある選挙区での協力に向け週内にも各党の代表者による協議を始める予定だ。
 共産は原則全選挙区での候補者擁立を掲げているが、18日の常任委員会では柔軟に対応する方針を確認。知事選での基本姿勢を基本に他党と連携し、1区以外では候補者擁立を見送る姿勢を見せている。
 一方、民主党県連は知事選で翁長雄志氏を擁立した枠組みに入っていないが、翁長氏を推薦した連合沖縄と連携を重視している。
 政党そうぞうは1区から元郵政民営化担当相の下地幹郎氏に立候補を促す方向で調整し、来週には結論を出す予定。維新の党県総支部は下地氏ほか3区で前金武町長の儀武剛氏を擁立する可能性を探っている。