キングス、劇的勝利 TKbjリーグ第12戦


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キングス―群馬 第3クオーター、リング下に切れ込んでシュートを狙うキブエ・トリム=18日、石垣市総合体育館(八重山毎日新聞社提供)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区2位=9勝2敗)は18日、石垣市総合体育館で群馬クレインサンダーズ(東地区11位=1勝10敗)と第2戦を行い74―71で勝利、連勝を4に伸ばした。

キングスは第1クオーター(Q)からターンオーバーが目立ち、ミスから連続で失点して群馬に先行を許した。第2Qに入っても悪い流れを断ち切れず、シュートミスも増え始めて得点を伸ばせなかった。27―35とリードされて迎えた後半もペースをつかむことができず、簡単なミスから好機を逃した。それでもキブエ・トリムがインサイドで粘って得点して接戦に持ち込むと、71―71の同点で迎えた最終盤に岸本隆一がブザービーターとなる3点弾を沈めて勝負を決めた。キングスの次戦は22、23の両日、秋田県立体育館で秋田ノーザンハピネッツと2連戦を行う。

琉球ゴールデンキングス(10勝2敗)
74―71(18―27,9―8,26―19,21―17)
群馬クレインサンダーズ(1勝11敗)

◆声援が後押しくれた
 伊佐勉HC(キングス)の話 最後は石垣の皆さんの声援が後押ししてくれた。試合は望んでいた内容ではなかった。選手はリングにアタックしていたが、1人で行くことが多かった。そのためリズムに乗れずに得点につながらなかった。

◆岸本、ブザービーター
 最後まで波に乗れないチームをエースが救った。71―71で迎えた第4Q、残り時間は5秒を切っていた。岸本隆一が3ポイントラインの後方からシュートを放つと、ボールは試合終了のブザーとともにリングにのみ込まれた。勝負を決めるブザービーターに本人も驚いた様子で、「チームがつないでくれたおかげ。誰が打っても決められたはず」と控えめに喜んだ。
 劇的な最後を迎えたが、試合内容は厳しいものだった。第1Qは簡単なパスをつなげられず、ファウルも続いてスタートダッシュに失敗した。守備では群馬にインサイドを崩され、ミスを突かれて連続失点した。「チームとして思い描いたプレーができなかった」とトリムは課題を口にする。
 それでも果敢にリングにアタックするうちに点差が縮まり、第3Qは互いにリードを奪い合う接戦となった。3点シュートがリングにはじかれる一方で、トリムがリング下で仕事をこなして食らいついた。
 第4Qも接戦が続いたが、ファンが大声援で選手を鼓舞して辛くも勝利を手にした。しかし17個のターンオーバーを重ね、フリースロー成功率は65・4%と低調だった。次は強敵の秋田とのアウェー戦で、さらに困難な試合が予想される。トリムは「課題を改善して、気持ちを切り替える」と決意を述べた。