衆院解散 産業振興策見極め 県内経済界


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 衆院解散を受け、県内経済界から、消費税再増税の延期に賛同した上でさらなる県内の産業振興を求める声や、安倍政権の経済政策であるアベノミクスについて県内中小企業への効果を疑問視する声が上がった。

選挙対応については、各団体とも、他の経済団体の動向や知事選の結果を考慮しながら決めていく方向だ。
 県経営者協会の安里昌利会長は解散の前提となった消費税再増税の延期について「景気回復で人手不足が深刻化する中、持続的回復に向けた地ならしのためにも賛成だ」と話した。その上で「県経済は観光以外に柱がなく、脆弱(ぜいじゃく)だ。物流や農林水産の振興をどう図っていくかという観点から、他の経済団体と意見交換し対応を決めていきたい」と語り、県経済団体会議での協議を踏まえた上で対応を決める方針を示した。
 県商工会連合会の照屋義実会長は「マイナス要因を打ち消し、有利な政治環境をつくるための延命の解散と映る」と指摘。選挙結果次第で、米軍普天間飛行場の辺野古移設や原発再稼働がなし崩し的に進められることを懸念した。さらにアベノミクスについて「中小企業はむしろ倒産件数が増え、政策効果が及んでいない。景気が良くなっているという実感はない」と指摘した。政治連盟として推薦した仲井真弘多氏の大敗を受け「民意がはっきり示された中で、どう対応していくのか。あらためて会員の意見を聞く必要がある」と話した。
 JA沖縄中央会の新崎弘光会長は「農業改革や環太平洋連携協定(TPP)など、課題が山積しており、農業改革にしっかり取り組んでくれる候補を推していく」と話した。組織としての意向や個別の協力関係などは来週役員会を開き、組織決定する予定だという。
 県建設業協会の下地米蔵会長は解散について「政権安定を考えた上でのタイミングではないか」と分析。選挙対応については、立候補者らの動向を見た上で来週以降、協議していく考え方を示した。