【中国】伝統芸能の魅力発信 上海、北京で舞台「沖縄祭典」


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「沖縄祭典」のカチャーシーで、出演者と一緒になって踊る観客ら=26日、上海東方芸術センター

 沖縄県が主催する文化観光戦略推進事業の一環で、沖縄芸能の魅力を中国で発信する舞台「沖縄祭典」が11月26日、中国・上海東方芸術センターで開催された。舞踊団は県内の若手で構成されており、上海のほか、北京でも公演した。

 沖縄の伝統芸能の魅力を十分に伝えようと、公演は琉球王朝時代の宮廷舞踊からエイサー、毛遊びといった庶民的な芸能まで、3部構成で行われた。勇壮な獅子舞の演舞では、獅子舞が観客に向かって飛びついたり、愛くるしいしぐさをすると、会場からは大きな笑いが湧き起こった。最終演目のカチャーシーでは、観客も一緒になって踊り、ステージと観客席とが一体となって盛り上がった。
 舞台を演出した神谷武史さんは「活動場所も内容も異なる団員たちと新しい構成内容の演目を演じることは苦労したが、中国の観客に喜んでいただけたようでとてもうれしい。沖縄芸能の担い手として、芸能を通して沖縄観光に少しでも貢献できたのでは」と舞台の達成感を語った。
 沖縄の若者たちが沖縄の芸能文化を広く海外に広めた今回の公演は、沖縄観光だけではなく、文化交流としても非常に意義のあるものとなった。
 中国人の大多数の沖縄に対する印象は「青い海、白い砂浜」といった南国の観光地としてのイメージ、「米軍基地」というイメージが一般的だが、このような活動を通じて沖縄の文化芸能の魅力を発信し、沖縄の観光がさらに盛り上がりを見せることが期待される。(小谷良太通信員)