伝統の弥勒 堂々 石垣市平得、12年ぶり結願祭


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五穀豊穣や無病息災などを願い奉納された弥勒前(ムルクヌマイ)=11月23日、石垣市平得

 【石垣】12年ぶりとなる石垣市平得の「結願祭」が11月23日、市内4カ所の御嶽と大阿母御嶽の隣にある平得祭り広場で行われた。五穀豊穣(ほうじょう)や住民の無病息災を願う農耕儀礼で、住民らが早朝から各御嶽を回り、弥勒前(ミルクヌマイ)を先頭に獅子舞、棒術などを奉納した。

その後、平得祭り広場で弥勒行列のほか、伝統芸能が披露された。
 平得の結願祭は、2002年に58年ぶりに復活して以来の開催。平得では弥勒はかぶるものではなく、守るものという観念があり、結願祭以外では登場しないのが伝統という。
 12年ぶりに現れ、厳かな行列を披露した弥勒の姿に、住民らは盛大な拍手を送った。
 同実行委員会の崎原喬委員長は「(平得の)繁栄と地域連携をさらに高めるとともに、ミルク世(五穀豊穣など)の到来が、必ずや実現すると確信している」とあいさつした。