神人の姿「記憶を」 イザイホー展で映像上映


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イザイホーの記録写真に見入る来場者ら=11月22日、南城市知念久手堅のがんじゅう駅・南城

 【南城】南城市観光協会は11月22日から24日まで、特別企画展「久高島のイザイホー展―神人たちが紡いだ願いと感謝」を市知念久手堅のがんじゅう駅・南城で開催した。

1978年を最後に途絶えている久高島の祭事・イザイホーを記録した写真や映像、神人(カミンチュ)がイザイホーで実際に着た衣装などが多数展示され、多くの来場者が興味深く見学した。
 イザイホーは久高島で生まれ育ち、島の男性に嫁いだ30歳から41歳までの女性が神人になるための儀式で、うま年の旧暦11月15日から4日間、島内で行われる。本来はことしもイザイホーを行う年に当たるが、条件を満たす女性がおらず、中止が決まっている。
 企画展では、4日間の祭事の過程を写真で順を追って紹介し、66年と78年の記録映像を上映。斎場御嶽から出土した金の勾玉(まがたま)や、聞得大君の衣装の再現も公開された。
 久高島物産展も同時開催され、78年のイザイホーに参加した福治洋子さん(75)、古波蔵節子さん(72)らが手作りのイラブー汁を販売した。福治さんは「イザイホーがなくなってしまうことはとても残念だが、形をかえて神にうそをつくことはできない。仕方のないことでもある」と寂しげに話し、「写真や映像の記録が残っているのは素晴らしいこと。多くの人に見てもらいたい」と語った。
 23日には、琉球大学の赤嶺政信教授による講演会も行われた。
英文へ→Izaiho Exhibit to store memory of sacred ceremonies in Okinawa