【島人の目】若者に贈る魔法の言葉


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 外務省支援プロジェクト「明日への日米の架け橋(沖縄プログラム)」に参加した向陽高校と八重山高校の生徒46人がロサンゼルス研修に訪れた。在ロサンゼルス領事館が主催した、11月13日の日米文化会館ガーデン・ルームで歓迎レセプションでの話し合いに私も参加した。

 同プロジェクトの1週間前に領事館から連絡を受けたので、私は参加者とどんなことを話し合ったらよいか、沖縄県出身の若い友人にあらかじめ助言を求めた。私は彼女の米国留学をサポートしたことがある。「高校生の世界というのは狭いものです。島という枠組みからなかなか抜け出せない若い時期です。『世界は広いんだよ、だけど近いんだ、世界に羽ばたくときに一番強みになるのがウチナーンチュの心だ』と、沖縄の若い世代の目を外に向かせると同時にその芯にある強さを認識させてあげる。芯にある強さとは、琉球・沖縄のたくましい歴史と比類ない伝統・文化だと私は考えています」と彼女はメールしてきた。
 プレゼンテーションが終わり立食に入ったので、私は積極的に生徒の中に溶け込んだ。彼らの将来の希望、目指すべき職業、アメリカで学びたいこと、今回の経験をどのように生かすかなどについて質問し、最後に彼女のメッセージを伝えた。すると生徒たちの顔がぱっと明るくなるのが見えた。
 「ウチナーンチュの心」とは何だろう。生徒らにとってきっとマジック・ワードに違いない。オキナワン・スピリットと表現してもよいだろう。踏まれても立ち上がる強い精神、必ず幸せはやってくるという、夢を捨てない心情のことではないか。
 明日への懸け橋といえば「今後とも南加県人会協議会会長としてだけではなく、ロサンゼルスと沖縄とを結ぶ力強い懸け橋としてご活躍されますことを大いに期待しています」との堀之内秀久総領事の助言を、今後の執筆活動の指針とするよう肝に銘じた。
(当銘貞夫、ロサンゼルス通信員)