しまくとぅば、米で紹介 ワシントン・ポストが記事掲載


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 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米紙ワシントン・ポストは11月30日付で、沖縄でしまくとぅば(琉球諸語)の普及を目指す動きが活発化していると伝え、普及は「言葉以上の意味を持っている」とする記事を掲載した。

記事では、琉球諸語の普及は1879年の日本による琉球併合や戦後の米軍統治の歴史を経て、沖縄のアイデンティティーを再構築するものだと指摘。観光地としての沖縄の独自性や魅力を高めるものでもあり、経済的な利点もあるとする専門家の声を紹介した。
 ポスト紙は琉球諸語について、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)から「絶滅危機」言語に認定されていると説明。一方、この状況について、日本による併合以降、沖縄では公的には「標準語」を使うことが求められたことなどの背景を挙げた。
 一方で、戦後は米軍基地が沖縄に集中することで、県民は日本政府から差別されてきたと感じているとも指摘。琉球諸語復興の動きは「島人のアイデンティティー」と深く結び付いているとの見方を示した。
 沖縄で琉球諸語を学ぶ若者が「若い世代がこの文化と言葉を失えば、沖縄は日本という大きな国の単なる一地方になってしまう」といった思いを抱いていることなども紹介した。一方、琉球諸語は「日本語の中の一方言」と位置付ける学者の見解も伝えた。