国際的人材の育成を 琉大観光科学科設立10周年シンポ


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観光科学科における人材育成について意見を交わす5人のパネリスト=6日、那覇市牧志のほしぞら公民館ホール

 「地域観光人材育成セミナー総括&観光科学科設立10周年記念シンポジウム」(琉球大学、沖縄観光コンベンションビューロー主催)が6日、那覇市牧志のほしぞら公民館ホールで開催され約70人が参加した。

基調講演では沖縄観光コンベンションビューローの上原良幸会長が登壇し、県内の観光産業の展望について話したほか、現役学生や同学科教授、経営者らによるパネル討論ではハワイ大学との交流を活用した国際的な人材育成の成果について話し合った。
 パネル討論では「琉球大学観光科学科に求められる観光人材とは」をテーマに、沖縄ツーリストの東良和会長、琉球大学の上地恵龍客員教授、大島順子准教授、観光科学科同窓会「観友会」の安田賢吾会長(28)、琉球大学観光科学科3年次の高江洲景子さん(20)が意見を交わした。進行役を琉球大学の下地芳郎教授が務めた。
 大島准教授は「われわれは県外だけでなく海外に飛び出す学生を支援しており、10年間継続している。ハワイ大学との遠隔講義などを通し、英語を実践的に使う機会を設けている」と話し、学生一人一人の個性を大事にしてやる気を引き出すことを大切にしていると述べた。
 上地客員教授は遠隔講義だけでなく、海外研修プログラムなどを通して、学生が外に関心を持つきっかけをつくっていることを紹介し、職場体験などのキャリア教育によって観光科学学科の就職率が平均90%後半であり2013年度は100%を達成したという実績も紹介した。
 卒業生の安田さんは「観光抜きには沖縄の経済は語れないと言われている中で、身の回りのことを観光という切り口で考えることができるのは大学で学んだおかげだ」と報告した。
 14年度のミス沖縄として活動する高江洲さんは、大学で学んでいることがミス沖縄として県外に沖縄を紹介する際に良い影響を与えていると述べ、「観光はさまざまな学問からアプローチできるおもしろい分野」と話した。
 東会長は「外を見るだけでなく、外に出て外に拠点を置くことが大切だ」と話し、県内、国内に制限されるのではなく「今後成長する地域ならどこへでも行くという考えを学生のころから持ってほしい」と学生らに期待した。