沖縄、野党が全勝 「辺野古反対」民意再び


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 第47回衆院選は14日に投開票され、自民、公明両党は3分の2(317)を上回って計325議席となり、安倍政権の継続が決まった。一方、沖縄の4選挙区は、1区で共産前職の赤嶺政賢氏(66)、2区で社民前職の照屋寛徳氏(69)、3区で生活前職の玉城デニー氏(55)、4区で無所属新人の仲里利信氏(77)が当選した。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する野党側が全てを制し、翁長雄志氏が大差で勝利した11月の知事選に続き移設反対の民意が示された。

自民、維新5氏 比例復活

 県内選挙区で敗れた自民前職の国場幸之助氏(41)、宮崎政久氏(49)、比嘉奈津美氏(56)、西銘恒三郎氏(60)、維新元職の下地幹郎氏(53)の5人は、比例代表九州ブロック(定数21)でいずれも復活当選した。比例を含めた県選出の当選者は改選前の7人を上回る9人となり、過去最多となった。県内選挙区の投票率は52・36%で2012年の前回を3・66ポイント下回り、過去最低を更新した。
 1区の赤嶺氏は知事選で翁長氏を推した「オール沖縄」カラーを前面に出し、全国で18年ぶりとなる共産の小選挙区議席を得た。
 2区の照屋氏は革新地盤の強みを生かし、翁長知事を支持した一部保守層も取り込み、終始安定した選挙戦を展開した。
 3区の玉城氏は知名度の高さに加え、普天間飛行場の辺野古移設に反対する有権者からの支持を受け、序盤からリードした。
 4区の仲里氏は自民出身ながら辺野古移設反対を訴えた。翁長氏らの全面的な支援を得て、無党派層に支持を広げて接戦を制した。
 前回衆院選で小選挙区の4議席中、3議席を獲得した自民は普天間飛行場の辺野古への移設作業に反発する県民世論が逆風となり、苦しい戦いを強いられた。
 比例九州に単独立候補していた自民新人の安里政晃氏(46)、共産新人の伊礼一美氏(67)は及ばなかった。公明前職で党沖縄方面議長の遠山清彦氏(45)は比例で当選した。
英文へ→Anti-US base candidates win all seats in Okinawa in Lower House election

県内小選挙区の投開票結果
【1区】 赤嶺氏6選
【2区】 照屋氏5選
【3区】 玉城氏3選
【4区】 仲里氏初当選
西銘恒三郎氏
国場幸之助氏
比嘉奈津美氏
宮崎政久氏
下地幹郎氏
遠山清彦氏