「悪い鬼、やっつけろ」 西幼・小でムーチー作り


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「鬼ムーチー作り」を楽しむ園児・児童・保護者=9日、伊江村立西小学校

 【伊江】昔ながらの伝統文化に触れてもらおうと、伊江村立西幼稚園と西小1年生(佐次田誠園長・校長)は9日、同校で「鬼(ウニ)ムーチー作り」に挑戦した。サンニン(月桃)の葉を持ち寄り、保護者や地域協力者らの指導の下、園児・児童は作り方を習い、作る楽しみなどを味わった。

 ムーチー作りの風習は旧暦12月8日に多く行われるが、村では新暦で行う家庭が増えていることから同校では、新暦の12月8日前後に恒例行事として行っている。
 園児・児童は、ムーチー作りを始める前に、イージマグチ(伊江島の言葉)で「なちぶさー(泣き虫) ぷんで(甘えん坊) ちむわっつぁ(いじわる)やじゃみゆん(やっつけろ)エイ エイ オー!」と鬼退治を宣言した。保護者らは、後世にも受け継げるようにと、「ムーチーのやわらかさは耳たぶくらい」などと作り方を教え、一緒に楽しんだ。食べ終わった後は、サンニンの葉2枚を十字形に重ねて、魔よけとしてつり下げる「さげムーチー」の風習も習い、教室にもつり下げた。
 初めて体験した儀間敦皇ちゃん(幼稚園生)と「葉っぱで包むのが楽しかった」と話す美乃里さん(1年)のきょうだいは、祖母・寿美子さんと一緒に作った。寿美子さんは「子どもたちに教えることができ、一緒に作れて楽しかった」と話した。
(中川廣江通信員)