県地域医療支援センター 離島勤務の不安に対応、医師不足解消へ


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県地域医療支援センターの仕組み

 県が医師確保支援を行うため琉球大学に運営を委託した「県地域医療支援センター」(センター長・國吉幸男琉大医学部付属病院長)が琉大病院おきなわクリニカルシミュレーションセンターに1日付で開所し、22日に開所式が開かれた。センターは、主に離島・へき地に赴任する医師のキャリア形成を支援する仕組みづくりを行い、医師不足となっている地域へ安定的に医師が赴任できる環境整備を図る。

 14年度中に各医療機関の医師不足の状況などの把握・分析を進める。その上で医師不足に悩む医療機関への支援策を検討していく。
 離島・へき地の医師不足の要因の一つに、赴任することで希望する診療科の専門性向上が図れないことを懸念する医学部生や医師が多いことが指摘されている。そのため同センターは、医師が不足している医療機関と、琉大病院や県立病院など県内中核病院の間で、ローテーション勤務によるキャリア形成ができるプログラムを策定・実施し、離島・へき地で勤務しても専門性向上が図れる仕組みをつくり、医師らの不安解消を目指す方針だ。
 プログラムは、県指定の離島・へき地の医療機関での勤務が義務付けられる琉大医学部の「地域枠」を卒業した医師を主な支援対象としている。
 開所式で仲本朝久県保健医療部長は「県の医師確保対策のコントロールタワーとして重要な役割を担うことになる」と述べた。