キングス接戦落とす 滋賀に71―74


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キングス―滋賀 第1クオーター、相手の守備を阻むアンソニー・ケント=21日、沖縄市体育館(仲本文子撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区3位=18勝3敗)は21日、沖縄市体育館で滋賀レイクスターズ(同5位=11勝6敗)と第2戦を行い、71―74で敗れた。

第1クオーター(Q)の序盤はキングスの攻撃力が爆発した。山内盛久や岸本隆一、小菅直人が3点弾を沈めると、守備では厳しいプレッシャーで滋賀に難しいシュートを打たせた。徐々にシュートが落ち始めると滋賀に点差を詰められ、第2Qは互いに得点する接戦となった。キングスは並里成やドゥレイロン・バーンズが得点して試合の流れを渡さなかった。42―38で迎えた第3Qは滋賀の猛攻に押されてキングスは得点が伸び悩んだ。逆転を許して追い掛ける展開になったが、アンソニー・マクヘンリーの得点などで接戦に持ち込んだ。しかし、最後は滋賀に軍配が上がった。キングスは27、28の両日、埼玉県の所沢市民体育館で埼玉ブロンコスと2連戦を行う。

滋賀レイクスターズ(12勝6敗)
 74―71(20―23,18―19,21―13,15―16)
琉球ゴールデンキングス(18勝4敗)

 【評】前半はアウトサイドを決めるキングスが優位で、後半は激しく守る滋賀のペースになった。第4Q残り1分で71―71の同点だったが、キングスはミスで流れを失った。滋賀は粘り強く得点して逃げ切った。キングスはフリースロー成功率が57・9%にとどまるなど課題もあった。(平安太一)

◆“積み重ね”で終盤失速
 一つ一つのプレーが勝負の行方を左右する緊迫した時間だった。第4Q、残り時間は約1分で71―71の同点。滋賀の激しい守備の前に攻め手を欠いたキングスはファウルやターンオーバーを重ねてしまう。対する滋賀も攻めあぐねていたが、もらったフリースローを粘り強く沈めて加点。3点差で逃げ切った。
 「終盤にオフェンスが停滞してしまった」とマクヘンリーは肩を落とす。その状況に至った原因を「全体の積み重ねだった」と言う。もらったフリースローを決められず、守備の隙を突かれて失点をする。リバウンドの位置取りや不要なファウルなど、小さいことが悪い流れにつながったと感じている。
 この日はインサイドの要のキブエ・トリムがけがで欠場し、態勢は万全ではなかった。それでも「トリムの分までプレーすることを意識した」と語るケントが奮起。リング下で力を発揮した。伊佐勉HCは「ケントがハッスルして、他の選手も穴を埋めてくれた」とチームが互いに支え合ったことを評価している。
 試合を終えたマクヘンリーとケントは同じ言葉を口にした。「敗戦から学んで成長しなければいけない」。強くなるために成功も失敗も糧に変える。悔しい敗戦にも2人がうつむくことはなかった。(平安太一)

◆最後に負け残念
 伊佐勉HC(キングス)の話 年内最後のホーム戦で負けたことは残念だ。大事なところでミスをしたら勝てないと実感し、今の自分たちの力も知ることができた。結果を謙虚に受け止めて練習から厳しい状況を想定してプレーしなければいけない。

◆価値ある勝利
 遠山向人HC(滋賀)の話 今日まで3連敗していたので、それを止められて良かった。タフな試合だったけど昨日よりもオフェンスとディフェンスを我慢強くできた。今回の勝利は価値のあるものだが、キングスとはあと4試合あるのでしっかり戦いたい。