県内家賃、全種で上昇 新築は建築費高騰反映


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 おきぎん経済研究所(出村郁雄社長)は26日、県内賃貸物件の2014年賃料動向調査(概要版)を発表した。平均賃料は、新築、中古物件ともに全ての部屋数タイプで前期比0・9~6・6%増などと上昇した。新築では建築費高騰が家賃設定に反映したのが要因。広い間取りや充実した設備の物件が増え、相場の高い市街地開発地区に人気が集まっていることも賃料押し上げの要因だと同研究所は分析している。

 改修工事による間取り変更などで賃料上昇につながっている例もみられ、ニーズを捉えることに成功した結果でもあるようだ。
 平均稼働率は、石垣市が98%で最も高かった。研究所の聞き取りに対し不動産会社は、尖閣諸島への対応で増員された海上保安庁職員による借り上げで8月以降に100~120件の新規需要があったと回答した。次いで那覇市(新都心)が96%で、生活の利便性から、単身から家族世帯まで幅広い層に人気だという。名護市とうるま市、宮古島市は93%だった。最も稼働率の低い地域は「沖縄市と近隣町村」で84%だった。
 新設住宅着工戸数に占める貸家割合は、県のまとめで13年度が5・5ポイント増の68・2%だった。全国は国交省の調査で1・6ポイント増の37・5%となっており、全国と比べて県内の割合が引き続き高く推移している。
 貸家住宅の新設動向は、消費税増税前の駆け込み需要などで幅広い地域で増加した。上昇率でみると、石垣市が約6倍の254戸で最も大きかった。次いで名護市が約2・5倍の865戸、豊見城市が約2・4倍の606戸だった。減少した市部はうるま市だけで11・3%減の685戸だった。
 調査は毎年実施しており、今回で17回目。県内の賃貸物件を扱う不動産会社20社26店舗で、管理戸数は5万1626戸。物件のカバー率は22・3%。賃料は、共益費や駐車場代などは除いている。1~9月に文献調査、11~12月にヒアリング調査を実施した。

平均賃料の推移
各地の賃貸物件の稼働率