屋我地の宝、再発見 住民ら50人、島巡り


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文化財などの学習を通し、屋我地地域の魅力を再確認する児童ら=22日、名護市の饒平名シマヌハー御嶽遺跡群

 【名護】地元資源の「再発見」をテーマにした地域散策が22日、名護市の屋我地島であり、子どもから年配の住民らまでおよそ50人が参加した。オランダ墓や屋我グシク、饒平名シマヌハー御嶽など集落内の史跡や遺跡などを中心に巡り、地元に息づく歴史を学びながら、その重要性を再認識した。

 名護市観光協会(安里廣理事長)が市受託事業「やがじ夢の架け橋事業」の一環として催した。事業では地元の宝を地域全体で共有することが目的。比嘉重史事務局長は「観光振興の基本は文化財や自然だと思う。ガイドの養成もそうだが、そこにしかない魅力を住民らが理解し、発信できる仕組みをつくりたい」と話した。
 散策は市文化財保存調査委員の岸本林委員長が講師として説明した。推定樹齢200年の市指定天然記念物「済井出のアコウ」の前では、幼少時代の遊びの場だったと懐かしむ姿も。古堅宗正済井出区長は「木の周りで鬼ごっこをし、枝を飛び移って遊んでいた。最高の遊び場だった」と振り返った。海ブドウ養殖施設では販売までの流れを学び、参加者らは海の恵みを実感していた。
 同地域は屋我地小学校と中学校を統合し、2016年度に小中一貫の「屋我地ひるぎ学園」の開校を予定している。市観光協会では散策による地域発見の総合的な学習への活用も構想しており、同小6年児童や教諭らも参加した。担任の比嘉淳教諭は「暮らしているが、知らないことが多い。歴史を知り、地域の将来をみんなで描けるようにしてほしい」と期待。仲本理七さんは「集落跡という屋我グシクに初めて行った。地元のことをもっと調べてみたい」と話し、松田春樹君も「地域にある文化財や天然記念物のアコウの木など、一つ一つに歴史があることが理解できた。昔のことも勉強していきたい」と意欲を見せていた。