特区に集中調理施設 うるま市でプロトン社


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大交易会で展示されたプロトン凍結機=2014年11月、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター

 食品の冷凍や加工販売などを展開するプロトンダイニング(奈良市、二宮大朗社長)が、年内にうるま市の物流特区内にセントラルキッチン(集中調理施設)を新設することが5日までに分かった。全国から集めた新鮮な食材を同キッチンで調理・冷凍し、国内外へ冷凍食品として販売する。将来は、新技術の凍結機などの組立工場新設も視野に入れている。

 同社のセントラルキッチンは、県の賃貸工場を使用し、約660~1320平方メートルを計画している。昨年12月に那覇市内に営業所を設立しており、本年度中にも現地法人を設立する。
 プロトンダイニングは冷・解凍機器製造販売の菱豊フリーズシステムズ(奈良市、二宮一就社長)のグループ会社で、菱豊社が開発した「プロトン凍結機」を使用した冷凍食品の販売やレストランなどを運営している。プロトン凍結機は磁力や電磁波などを使った独自の冷凍技術で、冷凍食品の鮮度を損なわず長期間保存できる。
 同社は昨年11月に開かれた沖縄大交易会に参加し、プロトン凍結機や解凍機などを展示していた。弓削公正「新鮮ネットワーク」事業推進部長は「設立に向け、県と相談している段階だ。大交易会で、プロトン凍結機を活用し県産品を輸出したいという声を頂いた。沖縄の物流ハブを生かし、アジアなどへの出荷につなげていきたい」と話した。さらに「今回はセントラルキッチンの進出となるが、将来的にはプロトン凍結機などの組立工場も視野に入れている」と明らかにした。