バレーボールの全日本高校選手権第3日は7日、東京体育館で3回戦と準々決勝が行われ、男子の西原は3回戦で習志野(千葉)に0―2で敗れ、3年ぶりの8強入りを逃した。
準決勝は男子が大村工(長崎)―愛工大名電(愛知)と東福岡―大塚(大阪)、女子は金蘭会(大阪)―東九州龍谷(大分)と大阪国際滝井―柏井(千葉)となった。準々決勝では男子は3年ぶりの優勝を狙う大村工が創造学園(長野)に2―1で競り勝ち、全国高校総体覇者の東福岡は習志野(千葉)に快勝した。女子は総体と国体との3冠を狙う金蘭会が鹿児島女に逆転勝ちし、東九州龍谷は共栄学園(東京)を振り切った。連覇を狙った九州文化学園(長崎)や日本代表の古賀を擁する熊本信愛女学院はともに3回戦で敗れた。準決勝は10日、決勝は11日に行われる。
◆高さにはね返される
最初から最後まで自分たちのペースに持ち込めなかった。西原は昨年と同じベスト16で敗退。ぼうぜんと座り込む選手たち。2年生エース仲本賢優は「悔しい。堂々と向かってくる相手に対抗できず、ずるずるいってしまった」と空を見詰めた。
これまでの2試合に比べて格段に打数が少なかった。登録18人のうち11人が180センチ超の高さを誇る習志野に対し、まともに勝負を挑んでしまったからだ。ブロックアウトを誘うスパイク、あるいはクイックや時間差を使った縦の攻撃で崩したいところを、サイドからの単調な強打で攻めて相手にはね返された。焦りからレシーブが乱れ、確実に入れにいったサーブをネットにかけるミスも出た。
会場全体に響く吹奏楽やチアリーダーなど、大応援団を背に勢いづく相手の雰囲気にものまれた。奥住竜馬監督は「攻めの気持ちや“遊び心”がなかった」と語り、「初戦から勢いに乗れず何とか勝ち上がっていた。常に次につながる内容ではなかった」と振り返った。
今の西原に足りないものは何か。指揮官は「どれだけ準備してきたかと問われればまだまだ甘い。経験も必要」と言い、仲本は「根本的な技術の精度と勝負どころでの精神面」と話した。揺るぎない自信を身に付けた先に、きっと全国制覇の夢が待っている。(大城周子)