無病息災願い練り歩く 小湾アギバーリー、初披露から100年


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晴天の下、住民の無病息災を願い集落を練り歩く「小湾アギバーリー」=3日、浦添市宮城

 【浦添】浦添市小湾の伝統行事「小湾アギバーリー」(小湾自治会、小湾郷友会主催)が3日、同市宮城の小湾自治会館周辺で行われた。ことしは行事の初披露から100年の節目の年。小湾出身者の共同墓地で御願を済ませた後、男性や子どもたちがドラの音に合わせてハーリー船に見立てただんじりを引き、住民の無病息災を願って集落を練り歩いた。

 小湾アギバーリーは、那覇市泊の「地バーリー」を基に、小湾地域独自の行事として伝承されてきた。エーク(櫂(かい))を持った男性たちが竜の形のだんじりに乗り込み、「イヤーサ」と威勢のいい声を上げながら歩き回る。
 小湾自治会と小湾郷友会でつくる「小湾アギバーリー保存会」(手登根順治会長)によると、1915年に開かれた大正天皇即位祝賀式で初披露された。
 太平洋戦争で一時中断していたが、76年に小湾蔬菜(そさい)組合の有志によって復活。地域の青年会に引き継がれ、浦添市民文化祭やてだこまつりで披露されてきた。若者への継承を目的に、2007年からは新年に道ジュネーを行っている。
 手登根会長は「住民の安全と幸せを祈願する道ジュネーも9回目を迎え、地域に根付いてきた。若者たちと協力して今後も地域の伝統を継承していきたい」と抱負を語った。
 道ジュネー後には、100周年の記念行事として小湾児童公園で芸能公演会が催され、多くの住民たちでにぎわった。