「飲食・宿泊業」定昇4.4% 3商議所14年度賃金動向


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3商工会議所に加盟する法人事業所の年齢別平均賃金

 那覇、浦添、沖縄の3市の商工会議所は9日、2014年度の賃金実態調査結果を発表した。定期昇給(定昇)率の平均は前年度比0・3ポイント増の3・1%で、好調な観光需要を背景に「飲食店・宿泊業」が4・4%と最も高かった。

賞与は給与月額の2・4カ月分で年間賞与額の平均は60万7千円。前年度と回答企業が一致しないので単純比較できないが、給与月額は同じ2・4カ月分だが、総額は前年度より増えた。取りまとめた沖縄商工会議所は、好調な県経済が賃金にも反映し始めているとみられると分析している。
 賃金を業種別で比較すると、大卒男性は全業種平均値指数を100として、「運輸・情報通信業」が全年齢区分で指数を上回り、「製造業」は45歳を除いた全ての年齢で上回った。一方で「飲食店・宿泊業」「その他サービス業」は全年齢区分で指数を下回った。大卒女性は「飲食店・宿泊業」「その他サービス業」で指数を上回っているものが多い。
 定昇した企業は51・4%。業種別の定昇実施率は「飲食店・宿泊業」が73・3%と最も高く、「建設業」は33・5%と最も低かった。
 平均定昇率の3・1%について沖縄商工会議所は「上がってきている雰囲気が出ている。全国で賃金アップがある中、沖縄でもその影響が出始めている。観光と関係する宿泊業の定昇率が高い」と話した。定昇率が最も低かったのは「金融・保険・不動産業」。
 賞与については67・4%が支給していると回答。年2回以上支給しているのは60・3%。平均年間賞与額は業種別では「製造業」が88万5600円と最も高く、「飲食店・宿泊業」が34万9800円と最も低い。
 新卒者採用は19・7%の企業で実施しており、「コンピューターソフト関連業」が最も高く、「建設業」が最も低い。
 初任給は大卒男子は16万4291円で、同女性は16万4175円。
 調査は14年6月末時点を基準とし7月を調査期間とした。3商工会議所加盟社の中から無作為抽出した3700社のうち786社(回答率21・2%)から回答を得た。