日本バスケ協会スタッフ・末広さん 地元で“熱血指導”


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宮古島でバスケット教室を開き、子どもたちに熱心に指導する末広朋也さん=2014年12月13日、宮古島市立久松中学校

 【宮古島】世界を相手に戦うバスケットボール男子日本代表を、舞台裏で支える県出身者がいる。日本バスケットボール協会の末広朋也さん(27)=宮古島市出身=は日本代表や他国の試合を映像や数字を使って徹底的に分析し、コーチや監督に情報を提供する「テクニカルスタッフ」に就いて4年目になる。「いつかここでの経験を宮古島に還元したい」と意気込みを語る。

 末広さんは市城辺出身。西城中、宮古高を経て、バスケの強豪・東海大へ進んだ。高校ではバスケ部キャプテン、大学では選手から学生コーチに転身した。
 大学はリーグ戦で毎週のように試合が行われる環境がある。選手を支えるスタッフ陣も充実しており「対戦相手を分析して試合に臨むのが当たり前の世界になった。準備の大切さを学んだ」と支える側に回った思いを語る。バスケ協会の知己を得て日本代表チームに帯同するなど経験を積み、11年4月から同協会に所属している。
 テクニカルスタッフは試合映像などの資料を使って対戦相手などの分析を行い、チーム首脳の作戦立案などを補佐する立場だ。ペイントエリア(3秒制限区域)への進入率や、コート内の区域ごとの獲得点の期待値の比較―。「思った以上にデータを分析する効果は大きい。日本のように比較的身長の低いチームが、高いチームをいかに倒すか。毎試合フィードバックして試合に臨むことが大事だ」と強調した。
 同協会で働き始めて4年目。試合を分析・処理するスピードも速くなってきたという。
 将来は宮古島に戻り、後進の指導に当たりたい考えだ。「離島の生徒は一流のゲームを生で見る機会も少なく、ハンディキャップがある。だが、それは言い訳。学ぶ方法は探せばいくらでもある。乗り越えられる壁だ」と指摘。「今経験している、体格的に及ばないチームの倒し方などは宮古でも生きる。今学んでいることを生かし、一人でも多く日本トップの選手を育てたい」と意気込んでいる。