県人情報 多彩に発信 本紙海外通信員 新年の抱負(下)


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<ロンドン>森田恵美子/英国との交流期待
 新年明けましておめでとうございます。
 私事ではあるが、昨年は新居へ入居し、その玄関に「首里城」(武安弘毅氏撮影)の写真を飾ることにした。夜の首里城がライトアップされているもので、首里城の威風堂々としたたたずまいが、ある意味威圧的でもあるのだが、わが家への来訪者はまず、その首里城へ目がいくように玄関の正面で迎え入れるのである。私の個人的な守礼門へのリスペクトの意味を込めたささやかなもてなしだ。

 さて、ことしの英国での県関連の動きだが、まず県出身の仲村颯悟監督の映画「やぎの冒険」の上映会が1月31日に開催されることを報告したい。これは2010年の公開から、ロンドンでの上映を!の声に応えて、5年の歳月を経て実現するものである。
 6月には第7回ロンドンおきなわデーの開催も控えていて、ますます盛り上がりを見せている。またアーティストらの来英、渡日も多数予定があり、こちらもますます充実した沖縄―英国間での交流が期待される。ことしの英国も県関連のイベントがめじろ押しだ。

<上海>小谷良太/2世の活躍に期待
 新年明けましておめでとうございます。日本と中国が国交正常化し、ことしで43年目になります。その後、沖縄県からもたくさんの人が中国に渡り、1998年に結成された上海沖縄県人会も17年目を迎えます。
 ただ、中国に渡ってくる県人の多くは、本土企業の駐在員である場合が多く、また現地採用の方でも、中国は立地も沖縄から非常に近いことから、ほとんどの人が2、3年、長くても5年程度で入れ替わってしまいます。
 また昨今は、尖閣諸島国有化問題から始まった日中関係の悪化、中国の環境問題の悪化によって、不安が広がり、沖縄に帰国する人が増えてしまいました。しかし、そんな中国に暮らすウチナーンチュの方でも、すでに在中20年の方や中国の方と結婚して中国に暮らす2世が徐々に増えてきており、今後はそういったウチナーンチュの方々が中国で活躍されることが期待されます。
 私もことしで中国生活11年目になります。今後も通信員として、中国に暮らすウチナーンチュの活躍、沖縄県の活動などを沖縄県民にお届けし、また中国においては、さまざまな活動や交流を通じて地元沖縄のことを中国の方々にいろいろと発信していきたいと思っています。

<ニューヨーク>比嘉良治/県人会の記録残す
 明けましておめでとうございます。
 元旦はニューヨーク大西洋の氷の海に「シロクマクラブ」と共に飛び込みます。病気の子どものキャンプ基金募集の一環なので、シロクマならぬ沖縄の黒ヤギとして参加します。
 アメリカ東部でも沖縄問題に関心が広がってきました。可能な限り、細かく掲載できればと思っています。
 4月には那覇市民ギャラリーで来間小学校フォトプロジェクト「ぼくたちの場所」展を開催します。同時に小さな学校の教育について考えるシンポジウムや子どもデジカメ探検などを企画します。
 ニューヨーク沖縄県人会も世代交代が目につくようになりました。記録を残す意味合いを含めながら、県人会の活動を取材してお伝えしたいと思います。

<フランス>大城洋子/育児経て仕事復帰
 私の人生の中で、2014年ほど早く過ぎた年はなかった。それは13年末に40歳にして男の子を出産し、初めての育児で翻弄(ほんろう)されているうちに過ぎてしまったのだ。
 臨月からの腰痛は結局、出産後の育児で治るタイミングをなくし、1年過ぎた今でも治る気配はないし、腱鞘(けんしょう)炎にもなった。慢性の寝不足でも、子どもの笑顔で全てが報われると感じられる自分を、客観的に「母親だなあ」と思う。そんな状態だが、2015年からは少しずつ仕事に復帰していき、うまく育児とのバランスを見つけていきたいと思う。
 あ、そしてダイエット! 15キロも増加したので…。

<ドイツ>田中由希香/若者の取材を継続
 昨年夏「世界若者ウチナーンチュ大会」がデュッセルドルフ市で開かれ、沖縄の、特に移民の歴史や文化を題材とした発表などを通して参加者が交流した。
 取材を通して、私も学生や若い社会人らの強いエネルギーに触れた。三線演奏や琉舞も、街中で披露するとどれほどの反応があるだろうと思ったが、時間がなく実現しなかったのが残念だった。
 私の祖父もブラジルで生まれた県系2世。ブラジルには多くの親戚がいるが、まだ行ったことがなく、近い将来必ず訪れたい場所だ。
 県出身の父や母を持つ若い学生らとの出会いもあり、ことしも彼らの取材を続けたいと願っている。

<ロンドン>森田 恵美子
<上海>小谷 良太
<ニューヨーク>比嘉 良治
<フランス>大城 洋子
<ドイツ>田中 由希香