日台漁業者会合、操業ルールで物別れ


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日台漁業取り決め(協定)の次年度以降の操業ルール策定に向けた日台漁業者間会合=14日、那覇市の県青年会館

 台湾と2013年に締結した日台漁業取り決め(協定)について、沖縄、宮崎両県と台湾の漁業者らは14日、15年度以降の操業ルール策定に向けた会合を那覇市内で開いた。日本側は、適用水域全体で漁船間隔を4カイリ(約7・4キロ)とするよう求めたのに対し、台湾側は1カイリ(約1・9キロ)を要望した。

双方の主張は折り合わず、会合は平行線に終わった。14年策定の操業ルールに対する日台双方の認識のずれも浮き彫りになり、新操業ルールは15日の行政レベルの予備会合に持ち越された。
 日本側は「昨年策定した操業ルールは暫定的なもの」とし、漁船衝突や漁具が絡まるなどのトラブルを避けるため、適用水域内全体で4カイリの漁船間隔を求めた。
 一方、台湾側は「ルールは既に昨年決まっている」との認識を示し、14年に策定したルールの踏襲を主張した。適用水域内の操業隻数の減少を懸念し、漁船間隔1カイリを主張している。日台双方の主張は真っ向から対立し、この日の会合は約2時間半で終了した。
 資源管理でも双方議論があった。出席者によると、日本側が「狭い漁場で(1カイリ間隔で)操業したら資源の乱獲になる」と主張したのに対し、台湾側は「巻き網漁を禁止した方がいいのではないか」と応酬した。
 県漁業協同組合連合会の国吉真孝会長は、会合後の取材に「全然駄目だ。ずっと平行線。台湾側は日本側の意見に対して配慮が全くない」と不満をにじませた。八重山漁業協同組合の上原亀一組合長は、15日の行政間予備会合でも日本側は引き続き漁船間隔4カイリを求めていくとの意向を示した。
 台湾の宜蘭(ぎらん)県蘇澳(すおう)区漁会(漁協)の陳春生理事長は、本紙の取材に対し「台湾の漁船は、1カイリ間隔で操業しないと入りきらない」と主張した。その上で「日本側は一方的に昨年のルールを否定し、全海域の操業間隔を4カイリと求めているため会合も続けられなかった」と怒りをあらわにした。
 さらに14年の台湾側の漁獲量の実績について「適用水域内全体の14年の漁獲量は前年と比べ、百数トン減、操業漁船数も約100隻減となった」と話した。