真夜中に怒号、騒然 辺野古強制排除


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市民を強制排除する直前、米軍キャンプ・シュワブのゲート前に並ぶ機動隊=14日午後11時45分、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に向けた名護市辺野古への新基地建設に関し、県警は15日午前0時ごろ、米軍キャンプ・シュワブのゲート前で資材搬入阻止の抗議行動をしている市民を“ごぼう抜き”で排除を始めた。

市民は抵抗し、現場は怒号が飛び交う騒然とした雰囲気に包まれている。沖縄防衛局は15日にも浮桟橋の再設置など海上作業に着手する見通しで、作業に使う資材搬入に向けて、ゲート前での市民の阻止行動を回避する狙いがあるとみられる。
 建設に反対する市民らは14日、埋め立て工事の資材搬入を警戒し、午前5時からシュワブゲート前に座り込んだ。日中は最大で約130人の市民が参加した。
 午後10時ごろゲート前の警備態勢が強化されるとの情報を受け、市民ら約100人が駆け付けた。うち約50人が1カ所のゲート前に設置された蛇腹の鉄柵内に入り、ゲートを封鎖した。 午後11時すぎに県警の警官約100人がバス6台などで現場に到着。午前0時ごろ、蛇腹の鉄柵にしがみついている市民らをつかまえ、“ごぼう抜き”を始めた。周囲には市民らの怒号が飛び交った。市民らは警官に対し「市民への暴力的な排除をやめろ」「機動隊帰れ」などと抗議の声を上げ、排除しようとする行為に抵抗した。
 15日午前0時15分現在、海上での仮設桟橋工事の埋め立て作業に使う資材とみられる車両の搬入はない。ただ、宜野座村内に資材を載せたとみられるトレーラー複数台が待機しているという情報もあり、市民らは警戒を強めている。
 沖縄防衛局は15日、気象状況などを見て海上での作業を開始するか判断する。14日は悪天候だったため作業は行われなかった。
 市民らは午前、ゲート付近に設置されている開閉式の鉄柵に棒を縛り付けて閉じた状態で固定し、外側から車両が入れないようにした。さらに、鉄柵の内側に敷かれた山形鉄板の上に座り込んだ。
 稲嶺進名護市長は午前、ゲート前を訪れ「絶対辺野古への基地建設を許さないという思いを共有し頑張っていくことを約束する」と市民らに呼び掛けた。
 沖縄平和運動センターの山城博治議長は「15日から浮具(フロート)の持ち込みなどが予定されているが、許さない。新基地建設を止める最後の闘いに入っている。力を合わせて頑張ろう」と市民に呼び掛けた。