学力向上へ連携継続を 琉大、教育フォーラム初開催


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 学校、家庭、行政、研究機関が一体となって取り組む学力向上を考えるフォーラム「うちな~版学力向上への道」(琉球大学教育学部主催)が10日、浦添市てだこホール小ホールで開かれた。

約240人の参加者は登壇者による取り組みの報告や今後の学力向上に向けた公開討論に耳を傾け、さまざまな立場の考えを共有した。
 琉球大学教育学部が2013年度から県からの委託で実施している「学力向上先進地域育成事業」の一環。同学部の研究成果や人的資源を指定地域(浦添市、沖縄市、宜野湾市、中城村)の小中学校で活用する。同事業による教育フォーラムは今回が初めて。
 琉球大学教育学部の萩野敦子教授は小中学校の現場教員への琉大教員による指導助言や、琉大生を学習支援のボランティアとして小中学校に派遣したことなど同事業のこれまでの取り組みを報告。今後も教育現場と連携していく意向を示し「永続的な仕組みづくりに取り掛かっていく必要がある」と述べた。
 県教育庁義務教育課学力向上推進室の田港朝満主任指導主事は大学と連携する重要性に触れ「大学は現場に研究によって得られた理論を提供することができ、現場は大学に研究の実践の場を与えることができる」と同事業の意義を強調した。
 引き続き行われた公開討議では「学力向上のために次にやるべきことは何か」をテーマに学校現場から3人、教育行政から2人の担当者が登壇した。普天間第二小の川村和久校長は「1年間ではなく2年間で児童を育てよう」と話し、児童と先生が一緒になって進級する持ち上がり制の導入を提言。同校ではすでに導入されており、川村校長は学力の向上などの成果があったことを報告した。さらに県教育庁義務教育課学力向上推進室の宮國義人室長は「成功体験が子どもの成長につながる」と話し、子どもをどんどん褒めるようにと来場した教育関係者らに促した。

登壇者らの話に聞き入る来場者=10日、浦添市仲間のてだこホール
討論会で登壇した弁士ら=10日、浦添市仲間のてだこホール